1日のよかったことを書く日記「よかったこと日記」のように、「よくなかったこと日記」を書くことをおすすめしています。良い感情を大事にするように、良くない感情も同じく大事なあなたの感情であることに日記を通して気が付き、日々のストレスを軽減していきませんか?
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ええ?どういうことですか?
ストレスを減らすために?嫌なことを書くんですか?
よくなかったことなんてなるべく思い出したくないし、思い出すことがストレスになるんじゃないですか?
私もそう思っていました。
でも、そうやって見ないようにする、思い出さないようにすることでだんだん、嫌なことやよくなかったことに気が付きにくくなると感じています。
まあ、確かに・・・
いいこと、嬉しかったことを書く日記はよく知られていますが、よくない感情もしっかりと認識することでストレスの原因にその場で気が付けるようになり、対処することもしやすくなります。
そんな、よくなかったこと日記をゆっくりペースで書くことをこのブログではおすすめします。
*今、かなりのストレスを抱えていたり、思い出したり、書くことで辛い、しんどいと思う方にはおすすめしません。
目次
ストレスの大きな問題はストレスがあるのに気が付けないこと
適度なストレスは、頑張ろうという気持ちややる気につながることもあるものですが、大きすぎたり、長すぎるストレスは、誰にとっても好ましいものではありません。
ただ、日常にいつもあるストレスの場合、だんだん感覚がマヒして強いストレスがあるのが当たり前の状態になったり、自分の気持ちを過度に押さえつけたり、我慢に我慢を重ねてしまうという状態が起こりやすく、ストレスがあることに気が付けなくなったりします。
さらに、私たちの社会というのが我慢を美徳と捉えたり、自分の意見や気持ちを伝えることをワガママとしてしまう傾向があり、その環境に子供のころから慣れ親しんだ結果、ストレスに気が付きにくい人を育てているようにも感じます。
その結果、ストレスを溜めていき、大変なことになっていることが多いと感じています。
できるだけストレスを溜めないために、ストレスに気が付くことの大切さは繰り返しお伝えします。
嫌なことに気が付くことが最初の一歩
よくないこと、嫌なことは主観なので、私には良くても、あなたはストレスに感じるということがあります。この主観も意外にやっかいなもので「周りはみんな何とも思わないのに私だけ・・・」ということもあります。
どんな状況でもいつも、自分の気持ちが1番と思っておくことが大事です。他人は他人、自分は自分です。あなたが嫌だと思えば、それは嫌なことなんです。
いつでも自分の気持ちを大事にしてください。
そして、小さな違和感を見逃さないようにしましょう。
嫌なこと、ストレスに感じることに気が付けることが最初の一歩です。その気持ちも大事にしていきましょう。
「よくなかったこと日記」をつけることで得られること
いいこと日記、嬉しいこと日記などを書いたことがある方はご存知だと思いますが、思い出して始めて気が付くことが結構多いのです。いいこと日記を書き続けながら、同時によくなかったこと日記を書くのもおすすめです。
私も何度もいいこと日記を書いて、いいことには、何も書かなくても気が付くことができるようになったので、同じことがよくないこと日記でもできると思っています。
でも、寝る前によくなかったことを思い出したくはないかなあ。
サトウさん、仰る通りです。
よくなかったことは、本当によくなかったことは書かないことをおすすめします。
できるだけちょっとした、小さな嫌だったことを書くことを最初は特におすすめします。
例えば、レジ待ちでイラッとしてしまった、お昼寝中に電話で起こされたなどです。
なるほど、でもよくなかったことを書くことでどんなよいことがあるかもう少し詳しく教えてください。
もちろんです。感じる効果は人それぞれですが、3つご紹介します。
ストレスに気が付けるようになる
- 常にポジティブでいるように
- いつも明るく
- いつも笑顔で
などが自然にできる方は問題ないのですが、人間はもともとネガティブな生き物です(ネガティブに考えた方が生き残れたため)。そんな多くの普通にネガティブな感情を持っている人たちが、がんばってマイナスの感情に蓋をしてしまう環境や状況が多いので、本当は嫌な事をスルーしたり、見ないふりをしているうちに、いつか自分の気持ちに気が付けなくなります。
そんな本当は嫌なことを思い出しながら日記に書くことで徐々に気が付けるようになってきます。自分はこんなことが嫌なんだと気が付けることで、溜めないうちに気が付けるようになります。
何度でも繰り返しますが、気が付けたら対応できます。
身体の不調も放置しておくとある日大きな病気が見つかるように、自分の気持ちを放置することで自分だけで何とかできない事態になったりします。
小さな不快に気が付けるようになる
大きな嫌な事やストレスは、思い出したくなくても思い出してしまうものですが、そういった大きなストレスで小さなストレスや不快を見逃したり、気が付かないこともあります。
小ささゆえに放置してしまいがちですが、小さいストレスは小さなうちにできるだけ解消できるように、小さなまま育たないように工夫することもできます。それも小さな嫌なことに気が付けるからです。
大きな嫌なことがあると、小さな嫌なことに気が付きにくくなるので、あえて小さなことに目を向け、大きくならないように対処したり、視点を変えたりして対応します。
大きな嫌なストレスがあるとそれらが心や頭を占領してしまい、小さな違和感に気が付きにくくなりますが、できるだけ小さな嫌なことにも気が付いて、小さいからこそ対処がしやすいうちに対処したいですね。
その場で気が付けるようになる
「あの時に言っておけば」、「あの時にああしておけば良かった」
などと思うことはないでしょうか?ストレスを溜めないために、その場ですぐに気が付くということが大事なことも多くあります。気が付けると対処できる時はできるし、対処しないという選択や、様子をみるという選択もできます。
例えば、他人から気になることを言われても、その場で嫌だと気が付けると、言い方は大事ですが、きちんと自分の気持ちを伝えることで、それ以上嫌だなと思うことを言われずに済むこともあります。
よくなかったこと日記を書くときに気を付けること
日記を書いてみようかなと思ったときに気を付けることはありますか?
はい、ぜひ気を付けて欲しいことを3つご紹介します。
1番嫌なこと、ストレスに感じることは書かない
大きな嫌なことは、思い出さなくても思い出してしまうものです。それらの今あなたが感じている一番大きな嫌なことは書かずに、それ以外のよくなかったことを書きましょう。
例えば、私たちの一番大きなストレスになりがちな対人関係で問題を抱えている時は、問題を抱えていることはあえて書かないようにします。その他のことで気が付いたよくなかったことを書いていきます。
仕事に集中できなかった、買い物に行ったら欲しい物が売り切れていたなど、一番のストレスにはならないことを書きます。
どんなことにストレスを感じるかが分かる、データを集める
特に最初の頃は、できるだけ小さなストレスや、いらっとすることに焦点を当てます。
いつもは関係がうまくいっているのに今日はコミュニケーションがうまくいかなかったことや、電車が遅れて困った、連絡があるはずの人から連絡がなく不安に思ったなど1日を振り返って感じたちょっとした違和感、不快だったこと、不安や心配事などを書きます。
書き溜めた日記を見直してみると、どんなことにストレスを感じるかが分かる、あなたのデータになります。
気持ちが落ち込みそうになったら書くのはやめる、寝る前には念のため書かない
気分が落ち込みそうになったら書くのはやめましょう。落ち込みやすい傾向がある方は、よくなかったこと日記のあとに、いいこと日記を書くようにすると1日が穏やかに終わりやすいです。
もちろん、いやだったことを書くことで精神的に落ち着かないようであれば、書くことはやめて、また落ち着いてから再開してみてください。
大事なことは、無理をしないことです。
気持ちが認識できてから、どうする?
嫌なことに気が付けたらそれからどうしたらいいでしょうか?
自分の気持ちが自然に変わるのならいいのですが、
- もっとポジティブに考えなきゃ
- 私が我慢すれば丸くおさまる
- 相手が変わることを期待する
- 状況が自然に変わるのを待つ
こういったふうに思うのはあまりおすすめはしていません。
状況が自分が思う通りに変わることはほぼないと思っておいた方がいいですし、相手を変えようと思ったらそれがストレスになります。
自分のストレスの傾向を掴んで改善していくのも有効ですし、それに加えて、状況をよくするために行動できることがあれば行うことが望ましいと考えます。
これを機会に自分の物の見方や捉え方などをいろんな方向からみる、認知行動療法や心理学の勉強をしながら自分で実行してみるのももちろんおすすめです。
まあ、そう前向きに捉えられるといいのですが、実際は相手や状況が悪いと思ってしまいます。
ほとんどの人がそうだと思います。そういう方に向けて次の提案をしたいと思います。
気が付いて対処する方法を考えて、できそうなら実践してみる
対応策の一例をご紹介します。
状況やあなたの思いによって、対処の方法は違ってきますので参考までにご覧ください。
自分で解消できるストレスかを確認する
ストレスは、自分でコントロールできることと、できないこと、そして誰かの協力があればできることがあります。
自分でコントロールできることは例えば、忘れ物をして時間に間に合わなかったというようなことは、忘れ物をしない、もっと早めに家を出る、などの対応を行うと、次からはそのストレスがなくなる可能性が高くなります。
自分でコントロールできないことは、天気や自転車のパンクなど、どうしようもないこと、そして相手がいることです。相手も話し合いができたり、自分の気持ちを伝えられる相手なら次に紹介する方法がありますが、そうではない人、例えば道を聞いたのに知らんぷりをされたなどそういうどうしようもないことは、いかにストレスに感じずにやり過ごすかを考えたほうが今後のためにもいいでしょう。
最後は誰かに協力してもらうことで解決できることもあります。この誰かはストレスに感じる相手だったり、第三者だったりといろいろです。関係性と付き合う時間の長さが決め手になります。
先ほどの道を聞いた人、電車の中で会った人など、基本的に二度と会わない人からの不快な行動は対処するより、自分の物の見方を変える方が早いでしょう。
ストレス解消できることはタスクにして、できないことは様子をみる
タスクは行動です。すぐに最善の行動を考えつくのは難しいので、こちらもゆっくり練習してタスクにしていきましょう。
解決策や改善策を考える時間を持つ
まずは、考える時間を持ちます。ながらで考えてもいいのですが、最初の頃は5分でもいいので、どうしたら自分が嫌な思いをしなくて済むのかという一人作戦会議をします。慣れるまでは時間をとって考えることで、対応策が思いついたり、良かれと思った案がよくよく考えてみたら良くなかったことに気が付けたりなどします。
一時の感情だけで行動してしまうと、あとで後悔することにもなるし、かといって行動しないとストレスが増えるばかりになってしまう。状況や今後のことも考えながらベストな方法を選択できる時間を作るのがおすすめです。
最初は想像から
嫌なことや小さな違和感に気が付けたら、次は、どうしたらそれがあなたにとって理想の状況だったかというのを考えます。
例えば、同僚からマウントされて面倒だなと思ったとします。そもそもマウントなどする相手の問題ではありますが、嫌だと思う気持ちはなくしたいものです。そこで、相手に対してマウントし返すのか、無視するのか、誰かに愚痴ってスッキリするのかなど複数の方法が思い浮かびます。
それぞれの対応策を、その場面を妄想しながら考えてみましょう。例えば、言い返したら、きっと後から面倒になりそうだけど、言われっぱなしも面倒だな、それならなるべく話さないようにするにはどうすればいいか、など。
妄想が膨らみやすい方は、アラームなどで時間を区切って考えてみましょう。
上手に伝えられるように何度も練習する
多くの違和感やストレスは人間関係によるものが大きいです。それらを上手に伝えることができると、もしかしたらストレスが減る可能性があります。なぜなら、相手が気が付かずにそれらの不快な言動を行っていることもあるからです。
どんな言葉で伝えると相手に上手に伝わるか、最初は紙に書いて練習するのもおすすめです。今まで自分の嫌だという気持ちを伝える練習をしていない方にはまず相手がいることを想像しながら練習することで、本番でも相手に分かりやすく伝わります。
きちんと誠意をもって丁寧に伝えても相手が不機嫌な態度や不快な言葉を発する場合は、付き合うに値しない人間なので、きっぱり縁を切りましょう。
職場などで切れない相手だと上司や人事に相談することをおすすめします。
タスク管理で改善行動を管理
せっかく思いついた方法も実行してこそ、です。
タスクにできる行動はタスクにして、毎日確認して、毎日実行するよう意識をします。
書くことで、状況ややることが把握しやすくなり、また、気持ちも落ち着きやすくなります。ただ、急に人間の考えや行動は変わりません。それでも何度も繰り返し確認して、意識するとだんだんと望ましいと思う考えや行動ができるようになってきます。
焦らずにじっくりと取り組んでいきましょう。途中で忘れたりしないためにも毎日タスクを見て確認します。
大事なことは、できないことに落ち込まないことです。今まで気づくことも難しかったことをタスクにして意識して日々過ごすのは大変な進歩です。毎日確認して、意識できたらタスクにはチェックを入れます。例え実行できなくてもすごい進歩だと自分を褒めましょう。
なるほど。最初は、よくなかったこと日記なんてと思ったけど、1週間くらい取り組んでみようと思います。
ポジティブもネガティブもどちらも私たちには大事な感情なので、どちらにも当たり前のように気が付けると日々がもっと過ごしやすくなることと思います。
ストレスを減らすことができるともっと仕事にもやりたいことにも集中して取り組めそうですよね。
サトウさん、そうなんですよ。ぜひよくなかったことも日記で改めて認識してみてください。
とはいっても、日記を書くのも、変化を自分一人で起こすのも大変だし、しんどいし、面倒なことです。
ベーシックサポートプランでパートナーがいつでもあなたのストレスを減らすサポートをしますので、お気軽に無料セッションにお申し込みください。
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講座のご紹介
このブログを書くヒントになったのは、マインドフルネスの講座です。ここからは、私が受講したマインドフルネスの講座、MBSR講座についてのご紹介です。
マインドフルネスに興味がある、どの講座を選んだら良いか分からないという方へご紹介します。
講座の特徴や目的
MBSR講座は、1979年にアメリカのマサチューセッツ大学医学部の名誉教授ジョン・カバット・ジン博士とその同僚によって開発された、40年の歴史と科学的な実証が積み重ねられたプログラムです。
ストレスとうまく付き合っていくことを学ぶことで、人生をより豊かにしていくことを目的に作られました。
講座の時間や内容
講座の期間:8週間
毎週1回、2.5時間の講座
場所:オンライン
準備するもの:
・インターネット環境(インターネットに接続できるデバイス)
・ヨガマットのような、しっかりとした足場になる敷物
・瞑想クッション/座布団
週1回とはいえ、2.5時間はなかなか長い時間でしたが、オンラインだったので自宅で受講できることを考えると通学時間も含めると許容範囲でした。
講座のために特に何か購入はせず、敷物やクッションの代わりにキャンプマットを使いました。
講座とは別に、毎日の自宅での45分の瞑想の練習があり、かなり大変ですが、しっかりと取り組めば取り組むほど、豊かな学びを得られるものとなっています。
私は練習中に、意識が飛ぶことがたびたびありますが(笑)、他の受講生の方で、しっかりと取り組まれている方のお話を聴くと、その方の方がマインドフルネスを私より体得されていると感じたので、きちんと取り組めば取り組むほど良いのだと感じています。
講座終了後にマインドフルネスを学び続けるためにコミュニティができました。定期的に情報交換をしているのでこれからさらに学びを深めたいと考えています。
講座を受けるとどんないいことがあるの?
- 集中力が向上する
- 体調の変化に気づきやすくなる
- イライラや恐れが減る
- 周りへの温かい優しい心が養われる
- 自分の悪習慣に気づいて少しずつ習慣を変えられるようになる
などの効果があると言われていますが、学びのプロセスには個人差がありますので、結果を焦らずに実践を続ける、というのもマインドフルネスの重要なポイントになります。
個人的には、こんなことが少しできるようになってきたかなと思っています。
・抑えていたネガティブな感情に気が付けるようになった
・イライラがさらに減った
・いろんなことを穏やかに受け止められるようになってきた
また、講座終了後は修了証がもらえます。講師を目指す方はもちろん、修了証があると達成感があって嬉しいです。
先生について
オンラインで30分ほど、講座の内容、不明な点や不安な事を聞くことができます。それから支払いの流れになるので、迷った時には無料相談を受けてみてください。
たくさんのMBSR講座がありますが、私が受講した先生はとてもおすすめできる先生です。先生が作られたアプリを使用できるので、日々の宿題に復習にとても便利に使っています。
吉田篤史先生
・精神科医、日本医師会認定産業医、公認心理師
・マインドフルネスでは、Ted Meissner氏に師事。「精神科治療学」2023年1月号寄稿(下記雑誌リンク参照)
・エンジニアとして、大学でソーシャルロボットセラピー、メンタルヘルスウェアラブルデバイス、VR開発などの研究開発を行っている
事前無料セッションは講座開講が決まりましたらこちらでもお知らせします。
*本講座のお申し込み情報を先生へお渡しすることを予めご了承ください。お申し込み後は吉田先生より直接ご連絡があります。