日本の「公園の父」と呼ばれ、たくさんの公園の設計、東大農学部教授、投資家として巨万の財産を築いた事でも有名な本多静六氏(1866-1952)。彼の著作のひとつ『私の財産告白』にて「職業の道楽化」を実現するための方法が書かれています。
あらゆる職業はあらゆる芸術と等しく、初めの間こそ多少苦しみを経なければならぬが、何人も自己の職業、自己の志向を、天職と確信して、迷わず、疑わず、一意専心努力するにおいては、早晩必ずその仕事に面白味が生まれてくるものである。一度その仕事に面白味を生ずることになれば、もはやその仕事は苦痛でなく、負担ではない。歓喜であり、力行であり、立派な職業の道楽化に変わってくる。
私の財産告白「5 平凡人の成功法 – 仕事の面白味」
私の体験によれば前にもしばしば述べたように、人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない。道楽化をいい換えて、芸術化、趣味化、娯楽化、遊戯化、スポーツ化、もしくは享楽化等々、それはなんと呼んでもよろしい。すべての人が、おのおのその職業、その仕事に、全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめが面白くてたまらぬというところまでくれば、それが立派な職業の道楽化である。
私の財産告白 「5 平凡人の成功法 – 勉強の先回り」
終身雇用が当たり前であったり、別の分野に何度も転職をすることが一般的でなかった時代においては、今取り組んでいる分野が天職だと思う方法が有効だったかもしれません。
『私の財産告白』は、今日においても名著としてファンの多い本であり、上記引用箇所も、Web上で度々取り上げられている素晴らしい提言ですが、これをそのまま現代に当てはめて実行するのは、ややハードルが高いようにもみえます。
それでは、どのようにすれば現代でも応用できる職業道楽を実現できるのでしょうか?
目次
職業の道楽化は理想だけど、現代にはそぐわない考え方かも?
職業の道楽化に向けて何をすれば良いかは『私の財産告白』を読んでいただいた方が良いのですが、誤解を恐れず一言で言えば「一生懸命努力して勉強すればできる!」です。
天才ではない凡人が職業の道楽化を実現するための方法が書かれているので、やはり少しずつ努力を積み重ねて突破する事が肝心であるという内容が紹介されています。
もちろんこれは今の時代においても同様に一定の努力が必要なのは間違いないでしょうが、「何人も自己の職業、自己の志向を、天職と確信して、迷わず、疑わず、一意専心努力する」と信じて時間と労力を割こうにも、沢山の情報が飛び交う現代で、これを素直に信じて努力することはとても難しいでしょう。
自分なりの上達の道筋を作る事は、どの分野でも、それほど変わらない
既に何かの分野に長けている方なら、思い当たる事もあると思いますが、特定分野で培った努力の仕方が、別の事業や趣味で応用が効く事があります。
たとえば、学生時代に野球をしてきて、反復練習、相手チームの研究、チームメイトとのコミュニケーションの大切さなどを、身を持って経験した方は、社会人になって、違う分野の職業についたとしても、その経験を活かして努力することができるはずです。
もちろん、別分野への応用の仕方には、ケースバイケースの難しさはあるでしょうが、努力の体験と、自分なりの工夫の仕方の原則は、意外に共通することが多いものです。
上達の方法を構築しながら、気になった分野にどんどん触れていく事が、現代的な職業の道楽化への道筋かも?
多様な仕事や価値観のある現代において、自分が今関わっている分野が、自分の天職だと信じて努力、勉強しつづける事は、よほど向いているか、強い精神力を持っているかでもない限り難しいです。
現代を代表する成功者の1人、堀江貴文さんは、著書『多動力』の中で「猿のようにハマり、鳩のように飽きよ」と提言しており、広く様々な分野を体験し、その組み合わせによる成功法を紹介しています。
そして、別分野に移りつつも、自分なりの努力の仕方を構築し、磨いていく事を意識、その方法を活かして素早く新しい分野でも一定のレベルに達する事を目指すのです。
新しい分野に面白味や適正を見出せ、もっと頑張ってみたいと思えたなら、そのまま努力を積み重ねれば良いですし、他の分野で気になる事があれば、柔軟に乗り換えつつも、根源となる努力の仕方は、これまで以上に磨かれたものを目指すことを大切にしてみてはいかがでしょう?
タスク管理パートナーでは、タスク管理を通じて、一人ひとりにあった努力の仕方の構築もサポートします。
おすすめのベーシックサポートプランで職業道楽の実現を目指して、毎日物事の進む喜びをぜひ味わってくださいね!