『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著/キングベアー出版
自己啓発本の古典の一つといってもいいこちらの本より、「重要だけど緊急でない」やりたいことに取り組む方法を学びます。
やろうやろうと思って、なかなか取り組めていない、運動、勉強、休むこと、後回しになっている家族のことや、家のこと、今度こそ取り組むために参考になる方法をご紹介します。
大切にしたいことが、大切にできるヒントを得てもらえると嬉しいです。
何度も読みました。第1,第2の習慣は抽象的であまり親しみのない内容で分かりにくかったのですが、自分の人生について考えた方が良いかなという意識が芽生えました。
目次
習慣を行う前に意識したいこと
本文に入る前に述べられていることは2つです。
「自分を変えること」そして、 「正しい生き方」を送ることで「真の成功」が得られることです。
習慣を実践するポイント:自分を変えること
著者のこどもの一人が学校に適応できない、という問題に取り組んでいた時に、最初は支えたり、励ましていたそうです。
自分たちのあらゆる努力もむなしく、まったく改善しない様子と、著者自身の研究を通して、実は自分たちの息子は「(他の子どもに比べて)劣っている」という意識が自分たちにあり、それが子供に伝わっていたのだと気づき、自分たちのものの見方を変える必要を感じたというエピソードが紹介されています。
状況を変えたければ、まず自分たちを変えなければならないということを悟った。そして、自分たちを効果的に変えるには、まず自分たちの知覚、ものの見方そのものを変える必要があった。
『7つの習慣』 8ページ
本書では、終始、自分が変わること、自分のものの見方を変えることをすすめています。7つの習慣の本文に入る前にも何度も述べられています。
なぜ私が変わらなければいけないんだ、と納得できないものはありませんか?
ただ、自分の見方を変えることで楽になったり、ストレスが減るだけでなく、何よりも成長できるという自分のためになるかなと最近では感じています。
著者のいろんな経験も含めて書かれているので、やっぱり自分が変わることを考えることがいいのですね。
「変わる」というのは、ものの見方もそうですが、自分が変わらなくても、習慣、仕組み、時間の過ごし方を変えてみるということまで広く考えてみてください。
自分を変えてみようかなと思えたらぜひ一歩を踏み出してみてください。やってみたいと思えたら、今までの行動を新しい行動に変えたらどうなるかという実験を行ってみてください。
習慣を実践するポイント: 「正しい生き方」を送る
「真の成功」とは、優れた人格を持つことと定義しています。
優れた人格は、仕事にも、プライベートにも良い効果を与えるということで「立派な人になる」というのを目指すことをすすめています。
では、正しい生き方とは何でしょうか?
- 表面的なテクニックやスキルではなく、人格を磨くことを大事にすること。
- 見方が変われば世界が変わる(自分の見たいように見ている)ことを知ること。
- インサイドアウト(自分自身の内面(インサイド)を変えること)から始める。
インサイドアウトは、例えば、仕事でもっと自由な裁量が欲しければ、より重い責任を引き受け貢献できる従業員になる、信頼されたければ信頼性のある人になるなどです。
習慣を実践するためには、今の生活を何らかの形で変える必要があります。その時には、自分を変える事が必要な事、そして、正しくあることで、7つの習慣の実行がよりやりやすくなると解釈しています。
まずは、この2つの前提を知っていただき、そして、『7つの習慣』のそれぞれの習慣について読んでください。概要をなるべく簡単に説明しながら、第3の習慣について詳しく紹介します。
第一の習慣:主体性を発揮する
刺激(何らかの出来事)と反応(自分の感情や対応)の間に選択の自由(自覚、想像力、良心、自由意志)があり、その選択を主体的に行い、主体性を発揮して、自分の人生に責任を持つ存在であることが第一の習慣です。
何かイヤなことがあった時(刺激)
そのイヤなことをどう思うかを選択できます(選択の自由)。
その結果、「あ~、今日は運が悪い」と言うのも、「大変だけどがんばろう」と言うこともできます(反応)。
反応は言葉や行動に出てくるので、言葉によって主体性の度合いが分かります。
「〇〇さんがもっとこうすればいいのに」という言葉は他の人の行動が自分の仕事や幸福を制限している、というようなことですね。
最初は、否定的なことを言うなということ?と思ったのですが、考え方が変わると言葉も変わってくるので、自分の発した言葉にまずは注意してみることがおすすめです。
他にも「生まれつきだから(他のやり方が選択できる)」「しなくてはならない(そうすると決めた)」「できない(選択する)」なども()の主体的な言葉に変えてみることを試してみるのもいいですよね。
第二の習慣:目的を持って始める
目的を持って始めるということは、目的地をはっきりさせてから旅立つことである。目的地を知ることで、現在地もさらによく分かるようになるし、いつも正しい方向に向かって歩み続けることができるようになる。
『7つの習慣』127~128ページ
日々の忙しさに追われて、意味のないことを行っていたり、大事なことを犠牲にしていたりということにならないように確認するんですよね。
自分に大切なことを優先すること、目的を持つということは、価値観を明確にするということが大事になります。
自分にとって大切なことは何かという価値観をはっきりさせるために、ミッションステートメント(個人的な憲法、信条)を作ることが大事になります。
難しいなと感じた方は、あなたがやりたくないなと思うことを書いていくことでも、価値観が分かってきます。
第三の習慣:重要事項を優先する
タスク管理パートナーでも、緊急ではないけれど、重要なことを優先するよういつもおすすめしています。
改めて、なぜおすすめするのかも詳しくお伝えします。
まずは、時間管理のマトリックスのご紹介です。
私たちの時間の過ごし方は、基本的に四つの領域に大別することができる。活動を定義する二つの軸は、緊急度と重要度である。
『7つの習慣』213ページ
第1領域:緊急でかつ重要な領域
・締め切りのある仕事
・クレーム処理
・切羽詰まった問題
第1領域に集中している限り、様々な問題に振り回されて生活し、やがて疲れ果ててしまいます。そういう事態に陥ってる人たちが逃げ込めるところは緊急でも重要でもない第4領域です。
第1領域のタスクは、絶対に取り組まなければいけないことですよね。
この領域ばかり多くなってしまうと、毎日大変な状況になってしまいすね。
第2領域:緊急でないけれども重要な領域
・あなたのやりたいこと
・あなたが学びたい事
・人間関係づくり
・健康
・準備や計画
やりたいことが明確になっている人の多くは、第3領域と第4領域を避けようとします。なぜならそれは緊急であってもなくても重要ではないからです。
第2領域に時間を投資することで、第1領域の問題を減らしていけます。準備や計画をすることで直前に慌てることもなくなりますね。第2領域のやることに集中することで、効果的に自己管理ができます。
人生において大事なことは、多くの場合取り組むのに時間がかかることですが、気が付いた時には時間が足りなかったり、やっておけば良かったと思うことばかりですね。
でも、第3、第4領域を全くなくしてしまうのは難しいですよね。
そうですね。その辺はその時の状況や気持ちを大事にして、バランスを取っていくといいですね。
第3領域:緊急だけれども重要でないこと
・突然の来訪
・多くの電話や会議
・無意味な付き合い
第1領域だと錯覚して、実は緊急であるが重要ではない第3領域に多くの時間を浪費する人もいます。この人達は反応的で、終始他の人の優先順位や期待に振り回されています。
第2領域の優先課題にイエスと言うには、一見重要に見える緊急な活動にノーと言わなければならないのです。
他の人の優先順位を意識して優先することはあってもいいと思いますが、気が付いたら振り回されている状況はできるだけ避けていきたいですね。
会社だといつも断ったりするのも難しいですし、助けてもらったり、助けたりということは意識したいですね。
第4領域:緊急でも重要でもないこと
・暇つぶし
・単なる遊び
・多くのテレビ
まずなくしていくのはこの領域かと思います。
1日を振り返って後悔するほどこの領域に時間を使わないということはまずは意識しています。
サトウさん、いいですね。
第2領域の活動を行うための時間は、第3領域や第4領域からしか取れません。なぜなら緊急かつ重要な第1領域の活動を無視することはできないからです。
第2領域の時間確保の方法
なるほどと思っても、そもそも自分がどの領域にどのくらい時間を使っているか、そんなに把握していないですよね。
そういう方におすすめなのは、時間の記録です。1日の行動を記録して、どれくらい時間をかけているか、まず現状を把握します。
さらに、第二の習慣で明確にしたミッションステートメントに照らし合わせて、あなたの基準で第1~第4領域まで分類してみましょう。
それをご自身の理想と照らし合わせてみましょう。
緊急でないけど、重要なことに取り組むコツ
確かにそうだなと思っても、行動に移すのはなかなか難しいことです。行動に移すためにはこんな準備が必要です。
- 緊急でないけど、重要なことに取り組みたいと思うこと
- 重要なことを重要なことと認識すること(認識すると行動できる)
- 重要なことに取り組む時間を作ること
あなたの時間をどう過ごすかを決めるのはあなたなので、まずやりたいという意思があること、そして実行することで取り組むことができます。
ぼくもずっと時間がないから、あれもこれもできないと思っていたけど、思い込みをなくしたときに、やりたいことに時間を使えるようになりました。
私は、そもそもどうしたいのかという目的があまりなかったのですが、改めて考えてみるといろいろとでてきたので、考える時間を持つことは大事だなと思っています。
本書ではおすすめされていませんが、第4領域の過ごし方が好きという方はその時間の過ごし方ももちろん良いと思っています。
できない理由も人それぞれです。やりたいと思っているのにできない時は何が問題で行動に移せていないのかを考えてみてください。
第2領域の事柄に取り組むのをおすすめするのは、貯金や投資のように大事な将来に向けての準備の一つです。続けることで、将来の自分を大いに助けてくれます。仕事も勉強も健康も人間関係もそうです。
逆に今を大事にすることも大事な事です。今日取り組んで、今日結果が得られない第2領域のことは、時間をかけて取り組む必要があります。そのバランスを大事にしながら毎日を過ごすことを意識することが第一歩でしょう。
時間は意識しなければ、あっという間に過ぎ去ります。
今のままで満足というのももちろんいいのですが、ずっとその気持ちを持ち続けていられるかが分からないのです。
私は適応能力がまあまあ高いようで、いろんな状況で満足して過ごす方法を考えられるのですが、あることがきっかけで勉強を始めたら、今までの時間にもっと努力していたら・・・と後悔したのです。なので、あなたには、後悔しないような選択を毎日して欲しいと思っています。
確かに、何かを始めたら過去にダラダラしていた時間をもったいないと思ってしまうんですよね。
残念ながら時間は帰ってこないので、遅ればせながらですが、今一生懸命やって、将来の私から見て、後悔しない自分でいようとしています。
私が緊急でないけど重要なことをおすすめするのは、後悔をしないためです。完全に満足な状態でなくても「あの時も頑張った」と思えることを目指すことで、今の満足につながると思っています。
ちなみに著者は、第2領域の事柄に取り組む時には習慣の3つのスキルが必要だと書いています。
・知識(何をするか)
・スキル(どうやってするか)
・やる気(それを実行したい)
第四の習慣:Win-Winを考える
第1~第3の習慣までの基礎の上に第4の習慣からの具体的な行動があります。
win-win とは,、「自分も勝ち、相手も勝つ(それぞれの当事者が欲しい結果を得ること)」という考え方である。win-win を考えることは、単なるテクニックではない。それは人間関係の全体的な哲学である。
『7つの習慣』301ページ
win-win は全ての関係において、常に相手の利益を求める気持ちのことで、お互いに満足できる合意や解決策を求める事です。
最も良い選択はその状況によって異なるので、大切なのは状況を正確に理解し、把握することですが、基本的にほとんどの状況はwin-winがベストの選択になるでしょう。
さらに、取引しないという選択肢を持っていることで、次善の選択ができることもあります。
実際にはとても難しいことですよね。
多くの人は解決するための話し合いを避けるので、練習できていないということが難しさに輪をかけているのだと思います。
自分さえ良ければいいというWin-Lose、逆に自分が我慢すればいいからとLose-Winの関係や取引になってしまうことがないように気を付けたいですね。
そのためにも、自分の気持ちや信念を表現する勇気と相手の気持ちや信念を総称する思いやりのバランスが取れた成熟した人を目指したいものです。
自分の気持ちをきちんと伝えるのは難しいので、日ごろからたくさん練習することが大事ですね。
win-winで大切なこととして他に、誠実な人格、信頼関係、合意、システムも大事になります。理念や言葉だけ立派でも、システムがwin-winになっていなければ機能しません。
第五の習慣:理解してから理解される
人間関係について私が今まで学んだ最も大切な教訓を要約すれば、それは「まず相手を理解するように努め、その後で、自分を理解してもらうようにしなさい」ということである。この原則が、人間関係における効果的なコミュニケーションの鍵なのである。
『7つの習慣』351ページ
わ、これは当たり前のことだけど、難しいんですよね。文章で見ると簡単だけど。
理解するために、人の言葉を深く聞くようになればなるほど、人と人との間には物の見方に大きな違いがあることに気がつくので、余計に難しいですね。聞くことは学ぶことでもあります。
ぼく、これ覚えています。「話を聞いているとき、ほとんどの人は理解しようとして聞いているのではなく、応えようとして聞いているのだ」と。人間関係で問題が発生すると決まって「相手が理解していない、という言葉が出てくる」と書かれていて、ドキッとした覚えがあります。
人はいつも自分が正しく、自分が先にと思いたいので、実践は難しいですが、こうありたいと思っています。
第六の習慣:相乗効果を発揮する
「二人の人が同じ意見を持っているとすれば、そのうちのひとりは余分である。」同じ意見を持っている人がいると安心しますが、それでは相乗効果は発揮できないということを述べている章です。
第三の案を探し出すという言葉が何度か登場します。どちらにとってもWin-Winな案を一緒に探し出すには、尊敬的なコミュニケーションが必要です。
相乗効果の本質は、相違点、つまり知的、情緒的、心理的な相違点を尊ぶことである。相違点を尊ぶ鍵は、すべての人は世界をあるがままに見ているのではなく、自分のあるがままに見ているのだということを理解することである。
『7つの習慣』415ページ
率直に、自分の考えや経験などを打ち明けて、相手も自己表現ができるように助けることができること、そして相手の相違点を尊ぶことができることが望ましいことです。
それができると、全ての当事者にとってより良い案を見つけることができるんですよね。
意見を否定されたら「よかった、あなたは違う意見を持っている」と言えると書かれていますが、否定されたら無理じゃないかとは思っています。
確かに、否定されると難しいので、私はいつも「追加でこんな案もどうですか」という形で出していきます。
ただ、相手の意見を否定せずに、他の案も出すだけで、否定されているように感じる人もいるので、何よりも信頼関係が築けていることが大事なのかなと思っています。
第七の習慣:刃を研ぐ
第七の習慣である、刃を研ぐことは第二領域の活動で、自分自身への投資です。あなたの持つ自分自身という最も大切な資源を維持し、人間の持つ4つの重要な能力(肉体、精神、知性、社会/情緒)をバランスよく整える必要があります。
- 肉体的側面:自分の体を大切にすること
- 精神的側面:第2の習慣参照。価値観に対して決意することや、祈り、瞑想など
- 知的側面:学校卒業校は定期的に読書をすること、スケジュールや計画を立てること
- 社会情緒的側面:第4、5、6の習慣参照。普段の生活の中で他の人と接する活動を通して行うことができる
それぞれの能力の最新再生はもちろん大切であるが、この四つの能力全てを賢明に、バランスよく磨くことによって、はじめて最大限の効果をもたらすことができる。どれかひとつの側面でも疎かにすれば、それは残りの三つの側面すべてに悪影響を及ぼすことになる。
『7つの習慣』456ページ
なるほどと思うことばかりですが、取り組むとなると大変そうですよね。
第1の習慣から順番に取り組むのがベストだとは思いますが、取り組むのはどれからでも良いと考えています。
やってみたいのに動けない、よりもやれそうなことから取り組んで、やることを増やしていくといつかすべての習慣に取り組めているでしょう。
行動が大事ですね。
お一人では難しい場合は、タスク管理パートナーがお手伝いします。一つずつ、確実に行動に移していきましょう。
12月に入り、そろそろ来年のことを考える時期です。来年こそはぜひあなたのやりたいことを実践する年として、このブログを活用してもらえると嬉しいです。
もちろん、始めるのはいつでも、今日からがおすすめです。今日が難しい場合はいつ始めるかを今日決めましょう!
分かっているけど始められないという方は、ベーシックサポートプランで分かっていることを行動に移す方法をご一緒に探していきましょう。
さらにしっかりと取り組みたい場合はフルサポートプランもおすすめです。