『スイッチ!』「変われない」を変える方法 チップ・ハース&ダン・ハース著/早川書房

こちらの本より、変わるためのヒントをもらいます。

今度こそ変わるんだ、できる自分になるんだという気持ちは持っていても、行動が伴わずになかなかできなかったなあ。

今のサトウさんは違いますね!
気持ちを持っていてもなかなか変われないのにはそれぞれの理由があります。
ご紹介する方法が「変わりたい」気持ちを、気持ちのままだけでなく実際の行動に移せるきっかけになると嬉しく思います。

なぜ、変わりたいのに変われないのか

まずは、なぜ変わることが難しいのかをご紹介します。

問題を複雑にしているため

映画館で渡された大きな容器に入ったポップコーンを受け取った被験者が、小さな容器を受け取った被験者よりも多くポップコーンを食べたという実験結果があります。

グラフはイメージです。

ちなみに小さな容器でも食べきれないほどの量のポップコーンが入っていること、ポップコーンは美味しくないというあまり参加しても嬉しくない実験ですね。
どんな映画を観ても大きな容器を受け取った被験者の方が食べる量が多かったそうです。

単純に大食いの人が多かったのではないんですか?

そのように考えてしまい、問題を難しくしてしまうのが私たちの習慣のようです。
容器を小さくすれば、ほとんどの人が食べる量を減らせます。

この例からもわかるとおり、私たちは単純な変化の問題(容器のサイズを小さくする)をすぐに複雑な変化の問題(相手の考え方を変える)に置きかえてしまう。これこそが「変化」のひとつ目の意外な事実だ。人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多いのだ。

『スイッチ!』 10ページ

自分でも、相手でも、行動を変えるにはその人の環境を変えることで変化につなげることができます。

大食いをやめるには意思の力が必要だけど、容器を小さくするのは小さい器に入れたらいいだけですもんね!

疲れ切っているため

え?体力がないから変われないのですか?

身体の体力と言う側面もありますが、心の筋肉、セルフコントロールを消耗しているため、変わることができないのです。

実際、心理学の一般的な見解によると、脳ではつねにふたつのシステムが独立して働いている。ひとつ目は、これまでに説明してきた「感情」だ。苦痛や快楽を感じる人間の本能的な部分だ。ふたつ目は、「理性」だ。これは熟慮システムや意識システムとも呼ばれている。じっくりと考え、分析を行い、未来に目を向ける部分だ。

『スイッチ!』 14ページ

例えば、「理性」は朝の5時45分に起きたがっています。出勤前に軽くジョギングする余裕ができるからです。
でも、もう一方の「感情」は暖かい毛布にくるまって、あと何分か眠らせてくれたら他には何もいらないと感じている、そんな状況ですね。

毎日あることじゃあないですか!

分かっていますよ、感情の弱点は怠け者だし、気まぐれで、「理性」では、長期的な報酬(ジョギングすることでの健康)よりも短期的な報酬(あと10分寝る事)を優先してしまうんですよね。

感情と理性が戦う場面が多ければ多いほど意志力、セルフコントロールは消耗していきます。
セルフコントロールは消耗資源であるという認識は重要なんです。

通常は、怠け者で頑固だから変わるのが難しいと思われますが、実際にはそうではなく、体力を消耗しているからです。特に、新しいことを始めること、変わることに慣れていない人はその変化を考えるだけでも大きな疲れになることもあります。

戸惑っている

選択肢が増えるとそれがどんなに良い選択肢でも私たちは凍りつき最初の計画に戻ってしまいます。つまり、やりたくないからいつも通りのやり方を変えないのではなく、戸惑ってしまい、どうしたらよいかが分からないというのが変化できない原因です。

確かに!迷った挙句にいつもの商品を購入したり、いつもと同じことをしてしまいます。

決断するというのは大変なことです。結果、わからなくなり、いつもの選択をしてしまい、変化ができなくなります。

現状が心地よく安定していると感じられるのは選択肢の多くが切り捨てられているからです。

誰にでも習慣、つまり自分のやり方がありますが、変化の時にはその習慣が通用しなくなり、迷ったり、戸惑っている間に元の習慣に戻ってしまうという訳です。

変化できない理由にもいろいろとあるんですね。「なぜ」できないかなんて考えたこともなかったです。

他にもいろんな理由があるでしょう。この本ではこの3つの原因に対して行動を変えるためのヒントを教えてくれます。
「自分を変える」というと大げさですが、上手くいっていないことがある方はぜひうまく行く方法を見つけてください。

行動を変えるガイドライン

ここからは、そんな変われない原因を解決して、変わるきっかけ、行動できるきっかけになる方法をお伝えします。

明確な指示を与える

まずは、戸惑いに対する解決策ですね。

変化を成功させるには、あいまいな目標を具体的な行動に置きかえることが必要だ。簡単に言えば、変化を起こすには、「大事な一歩の台本を書く」ことが必要なのだ。

『スイッチ!』76ページ

不確かさは不安も呼び起こし、もとの道へ、見慣れた道へ戻ることにつながるので、具体的にどんな行動をすると良いかを決めます。

私たちは何かしら、上手くいかなくなった時に、問題に注目しようとします。大切なのは、解決策に注目することです。
明確で具体的な指示を自分にも他人にも与えることで動きやすくなります。

タスク管理パートナーさんが、いつも具体的な行動について質問してくれるので、これはだいぶん慣れてきました。

サトウさん、始めの頃よりもかなり行動が早くなって、いろんなことが進むようになっていますよね!

目標や達成したいことはたいてい達成までに時間がかかることが多いので、達成までの道のりを具体的な行動と結びつけることで、達成が現実的なものになります。

また、始めるにあたって、最終的にどこに向かっているのか目的地はどこなのかというごく基本的なことを確認することでより行動が具体的になります。

目的地を考えることと、行動について考えることをまとめたブログがこちらです。

感情に訴える

次は、決断疲れへの対応ですね。

先ほどご紹介した明確な指示は、あいまいさが排除されるので、明確な指示もまた疲れを軽減させます。

ここからは、疲れ以外にも変わることが難しいいろんな感情とその解決策について説明します。

変化すべき理由を非の打ち所がないくらい合理的に説明しても人々は行動を変えません。ここで重要になるのが感情に訴えることです。

肯定的幻想を否定しない

大半の人々が自分は平均よりも運転がうまいと思っているという研究結果があります。心理学の文献では肯定的幻想と呼ばれています。

ぼくも、運転にはちょっとばかり自信があります。これも幻想なのかな。

こちらのブログにも書いていますが、肯定的幻想は時に、変化を起こし新しい方角に向かって進むための方向を乱してしまうことにもつながります。

その人の自信を大事にしながら、否定的に言うのではなく変化を起こしてもらうためにはどうするといいでしょうか?

知らないということも、変化を妨げる要因の一つです。知るために、変化を起こしたい場所に行ってみる、知ることで共感するというのもおすすめの方法です。

目標を小さくすることで行動する恐怖から解放される

「感情」は、大変だと思うと恐怖心から行動できなくなり、コントロールを失ったように感じると無気力になり、短期的な見返りのないことを嫌います。

大変ではない、つらくない、そして時にはご褒美があると思わせる必要があります。

いつも言ってもらっている、タスクの細分化ですね。変化も小さいと意外に気が付きにくいものですよね。

サトウさん、その通りです。
感情に支配されて動けない時は、変化を小さく、小さくしてみてください。
どれくらい小さくすればいいかについては、こちらのブログもご覧ください。

最初の成功は、希望作りとも言えます。ぜひあなたのよりよい方向に向かって小さな一歩を踏み出してください。

進歩を祝い、次の階段に進む自信を持つ

最初の一歩が踏み出せた時には、盛大にお祝いをしましょう。
「感情」は簡単にやる気を失うので、進歩しているという感覚はとても重要です。

個人的な目標を実現した時に湧き上がる自信というポジティブな感情は将来の活動の幅を広げさらに大きな目標を追い求めるきっかけにもなります。

でも、お祝いっていっても、小さな一歩にそんな大げさではないですか?

大げさなくらいでちょうど良い方が多いと思っています。
それに、変化を起こせることは本当に素晴らしいことなので、ぜひご自分をしっかりと褒めて明日に続ける力にしてください。

大きな変化を早急に期待してしまいがちですが、日々小さな改良を行うことが、唯一の変化を起こす方法です。こうして変化が起きて、持続することもできます。

小さな変化や繰り返し、習慣は、時につまらないと感じてしまうかもしれません。そんな「感情」を上手にコントロールするヒントをこちらのブログに書いています。

環境を変える

待ってました!人間の問題に見えても実は環境の問題であることが多いという、変わることに希望が持てるイメージがあるのでよく聞きたいと思っています。

環境を整えるうえで大事なことを1つだけお伝えします。

自分自身の行動を変えるときは自分にセルフコントロールを課すよりも環境を変える方が必ず上手にできます。

では、そんな環境を変える時にどんなことに気を付けるといいのでしょうか?

大事なことは、環境や仕組みを変える時に、必ず1度で思い通りに成功すると思わないことです。

成功までの道のりに、上手くいかないことがあること、つまづくことがあることを覚悟すること、つまづくことを失敗ではなく学習と捉えることができると、頑張り抜くことができます。

いつも、サトウさんに合う方法を探しましょうと言ってもらっているので、その時のぼくに合う方法を見つけられています。

多くの場合つまづきや失敗は学習の近道で、初期の失敗は必要な投資とも言えます。

あるプロジェクトを成功させたチームは、学習に重点を置き失敗を改善しながら成功までたどり着けたけれども、失敗したチームは、1回目で成功させようして上手くいかずに、その後にもう一度行うことはなかったのです。

最初から自分に完璧に合う環境や仕組みを準備できるわけではありません。いろんな方法を順番に試していきましょう。
こちらのブログに継続のためにやり方を変える方法を書いています。

この他の有効な手段として、自分がやめたい行動、不適切な行動を行えなくなるように環境を変える方法もあります。

食べ過ぎを防ぐために器を小さくするとかですね!

サトウさん、そうですね。
一見不自由そうに思えますが、制約を自分に課すことで、本当にやりたいことや目標に近づけます。

タスク管理があなたの変化を助けます

行動を変える方法について、なるほど!と思っていただいた方もいらっしゃるでしょう。
大事なのは、その、なるほど!を行動に移すことです。

変化を起こすための行動に大事なことはこの2点です。

  • 環境を変えること
  • 新しい習慣を生み出すこと 

タスク管理が、この二つの戦略を組み合わせて実行を助ける道具になります。

壮大な目標を日常的な行動のレベルに落とし込み実行することが、変化の第一歩となります。

残念ながら、何かを変えるには長期的な報酬のために、短期的な報酬を犠牲にしなければならないことが多いので、途中で「理性」と「感情」がケンカをしたり、違う方向に行かないように、常に工夫していく必要があります。

人は、変わりたいと思えば変わることができます。
思考のクセを変えるのは少し時間がかかりますので、ベーシックサポートプランでいろんな工夫を行いながら、あなたが変わりたいと思う方向へ向かっていくことをサポートします。