『実践ストレスマネジメントの心理学』高山恵子 平田真也著/本の種出版
こちらの本より、ストレスに対応するスキルを学びましょう。
ぼくも大きくはないけど、ストレスはあります。今よりもストレスが減るといいなあ。
ストレスをコントロールできる方法を知っても、実践しなければ知識を持っているだけになってしまうので、タスク管理を活用して実践する方法も合わせてご紹介します。
目次
ストレスは悪者ではない
まず最初に確認したいのは、ストレスは悪いものではないということです。
例えば、締切間際、時間がないという状態はストレスを感じやすい状況ですが、そんな時だからこそ集中力アップしたり、効率的に短時間で物事を進められた、などの経験をしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
実は、ストレスはスパイスと同じなのです。スパイスも適量だと料理の味がぐんと良くなります。でも、大量に入れてしまうと、素材そのものを台無しにしてしまいます。
ストレス状態は、長くなるとつらいものですね。ですが、そこからうまく「分離し、切り替える」ことができれば、ストレスを上手にスパイスとして使えるようになります。
『実践ストレスマネジメントの心理学』 1ページ
そういえば、ストレスは良いものでもあると考えることで、ストレスが減るという話を聞いたことがあります。
適度なストレスは、能力を発揮できるともいえるので、このように考えることでストレスに対するイメージが大きく変わり、ストレスが軽減されます。
ストレスのプラスの面とマイナスの面も確認してみましょう。
ストレスのプラス面
- 負荷がかかることで行動のスイッチが入る
- パフォーマンスの質や集中力が高まる
- 今までのやり方を変えるきっかけになる
ストレスのマイナス面
- 不安になったり、やる気がなくなったりする
- ストレスホルモンにより免疫力が下がる
- 自分や他人を責めるなどマイナスの感情が出てくる
プラスのストレスは、あなたを成長させてくれます。
ストレスマネジメンとは、ストレスとうまく付き合うこと
私たちは、ストレスを完全にゼロにすることはできませんね。
けれども、「ストレスとうまく付き合う」ことは可能です。これが、ストレスマネジメントという考え方です。
『実践ストレスマネジメントの心理学』10ページ
ゼロにしてしまうのも、成長の機会がなくなってしまうともいえるので、あなたにちょうどいい、ストレスと仲良く付き合える関係を目指してストレスを管理していきたいですね。
知っていることとできることは違う
私たちはすでにいろんなことを知っています。でも残念なことに、知っていても実行できないことが多くないですか?わかっているし、やりたいけどできないという状態こそがストレスになりますね。
『実践ストレスマネジメントの心理学』2ページ
これは耳が痛いですね。そして、確かに、「やりたいのにできない」ことが溜まっているのも地味にストレスを感じます。
知っていることと使うことの間には大きなギャップがあり、その間には、下記のような学習段階があります。
5つの学習レベル
- 知らないしできない
- 知っていてもできない
- 考えるとできる
- 考えなくてもできる
- 考えなくてもできることを意識的に人に教える
考えるとできる状態を繰り返すと自然にできるようになり、習慣になります。
「知っていてもできない」2の状態から3の「考えるとできる」状態に移るのもなかなか大変ですが、ここで少し頑張って後戻りせずに4の状態に進むよう工夫して続けていきましょう。
考えながら行動する状態は特に難しいですが、だんだん慣れてきます。難しいなあ、しんどいなあという思いは、慣れることによって減っていきますので、毎日少しでも淡々と進める時期を乗り越えてください。
ストレスを減らすためのスキル、考え方
ここからは、ストレスを減らすためのスキルや考え方をご紹介します。本書には他にもたくさん紹介されていますが、特におすすめの方法を3つご紹介します。
今、自分がストレス状態にあると気づくこと
え?自分のことなんだから分かるんじゃないですか?
実はこれが一番難しいことだと思っています。
「ストレスが溜まっている」と言える間に、認識できる間にきちんと対処できるようにしたいものです。
ストレスも限界を超えた状態にあるとストレスがあることに気が付けませんので、その時は他人の意見やアドバイスを素直に聞くことをおすすめします。
まず、気が付かなければ対応のしようがありませんので、まずは気が付くこと、そして、この順番でストレスを適度な状態までもっていきましょう
- ストレス状態に気づく
- ストレスを減らすために、意識してスキルを使う
- 繰り返し使うことで、スキルを習慣化していく
気が付けない状態になった時には周りの誰かから「大丈夫?」「体調悪くない?」「無理してない?」「忙しすぎるんじゃない?」など言われますので、その時点で”もしかしたら”と思えるといいなと思っています。
単純なストレスから別のストレスを自分で作り出していることに気づくこと
このスパイラルに陥ってしまう方も多いかもしれません。まずは、自分でストレスを新たに作らないように工夫していきたいですね。
ストレスは身体と感情と思考の側面がそれぞれ影響します。
例えば、食あたりでお腹が痛いと感じるストレス(身体のストレス)があったとします。本来、お腹が痛いからお薬を飲むか、病院に行くかという対応をして回復を待てばいいのですが、そこに、新たなストレスが追加されることはよくあります。
感情のストレス:「なんで私だけこんな目に合うの?」という怒りや悲しみ。
思考のストレス:「明日、会社に行けないかも」と悩んでしまう。
確かに、これはあります!
体調不良などどうしようもないことを考えてもどうにもならないうえ、マイナスの感情は体調の回復を妨げることもあります。
このように、考えても変わらないことを考えすぎてしまうことによりストレスを作りだしている場合もありますので、考えても考えなくても変わらないことは考えないというのも新たなストレスを作らないポイントです。
また、新たに自分が作り出した思い込みによって、苦しむ人もいます。失敗をすると自分がダメだと思い込んだりすることもありますが、失敗した原因を探して対応することで、思い込みから抜けることがしやすくなります。
人の言動が気になることもありますよね。いつも挨拶を返してくれる人が返してくれなかった時とか。
人のことは分からないものです。単に聞こえなかっただけというものから、挨拶もできないような心理状態にあることもあります。人の気持ちは分からないので、考えすぎないことが大事ですね。
ついマイナスに考えてしまう人は、事実と思い込みを分けられるようになることが大事です。
ストレスの大きさ、数、あなたのストレス耐性を知る
適度でないストレスを何とかしたい場合、相手の正体を正確に把握して、対応する必要があります。
- 大きなストレスは、小さくする
- たくさんのストレスは、数を減らすこと
- 小さなストレスを、大きなストレスにしないようにスキルを使う
曖昧なことは、言葉にしたり、数字にしたりすると正体が見えてきます。把握できた事実に対して、ストレス解消法を試していきます。スキルをたくさん知っていることで、いろんな状況のストレスに対応しやすくなります。
客観的に見るというのも、一つの方法ですが、文字や数字に置き換えて確認するのもおすすめです。
よく言われる、人を変えるのではなく、自分を変えるということにもつながりますね。
個人的には、なぜ自分を変えなければいけないのかと思ってしまうので、自己成長のためととらえます。
あなたが、しっくりくる考え方をもって取り組むのがおすすめです。
タスク管理を活用して、何度も繰り返して身につけましょう
ストレスを減らすためのスキル、考え方は既に知っている方がほとんどでしょう。
ここからは、それらの知識を、タスク管理を使って行動することをおすすめします。
行動に移せるかどうかは、学んだことを状況に応じて使えるかどうかということになります。行動に移した後は、行動を定着させるための繰り返しがポイントになります。
行動に移すための順番です。
- 取り組んでみたい行動を探す
- 1をタスクにしてみる
- 毎日2を見て、毎日実行する
例えば、マイナスの思い込みをする癖を変えたいと思った時に、「マイナス思考をやめる」というようなタスクだと、一見良いように思えますが、どうやって行動していいのか分かりません。これで行動できる方はいいのですが、思考の癖はそう簡単には変わりません。なので
- マイナスの言い方をした時に、意識してプラスの言い方に言い換えてみる
- マイナスの言葉を使った回数を数える
- どんなマイナスな言葉を使っているか記録する
こんなふうに、具体的に何をするかが分かるようなタスクを作ります。あなたの目標 「マイナス思考をやめる」 を知らない人が見ても実行できるかどうかというのを考えて作成してみてください。
タスクの作り方については、こちらも参考にしてください。
あとは、毎日繰り返し、定着してきたなと感じたら、さらに目標に近くなるようなタスクを作って実行します。
繰り返すポイントについては、こちらのブログもご覧ください。
最後に著者からの言葉を紹介します。
いつも自分を大事にして、ストレスも溜め過ぎないように管理していきましょう。
もしあなたが三日坊主であったとしても、お休みしてまたスタートすればいいのです。能力とセルフを分けましょう。継続できなくてもできてもあなたはあなた、ダメ人間ではなくかけがえのない存在です。
『実践ストレスマネジメントの心理学』221ページ
お一人で難しい場合は、タスク管理パートナーがお手伝いします。また、「今日は愚痴を聞いて!」という日がありましたらいつでもお聞きしています。
毎日通話でサポートさせていただく、フルサポートプランでストレスマネジメントを身に着けていきましょう。