『ストレスフリーの仕事術』デビッド・アレン著/二見書房
GTDは米国の著名コンサルタントのデビッド・アレンさんの著書『Getting Things Done』の略称です。 こちらの本よりストレスフリーに近づけるGetting Things Doneについてご紹介します。
タスク管理パートナーでも活用しているGetting Things Doneの考え方とやり方についてお伝えします。
ぼくも、Getting Things Doneは便利に使っています。
でも、そもそもどうして管理しないといけないんですかねえ。
もし時間とお金とエネルギーが限りなくあったら、自己管理する必要はないのですが、限りがあるから、どのように資源を配分するかという選択が必要になります。
意志力も残念ながら有限の資源です。
確かに、そうですね・・・。いつかぼくも管理しなくていい日がくるでしょうか。
管理をすることで選択できることが増えたり、より快適に過ごすことができるようになるので、何歳になっても、どんな状況にあっても、やはり管理を行った方が効率的でしょう。なぜなら、少なくとも時間は確実に有限の資源だからです。
管理の方法はいろいろありますが、今回は、Getting Things Doneの方法をお伝えします。タスク管理パートナーでもおすすめしている方法です。
Getting Things Doneについて簡単に把握したい方はこちらもご覧ください。
目次
本当の目的は、やりたいことを行うため
リストやタスクを作り管理する目的は、仕事をスムーズに進めるため、日常の忙しさをコントロールするためというのももちろんありますが、本当の目的は以下です。
やりかけの仕事を片づけることによって、本当にやりたいことのために集中力と創造的なエネルギーを100%使えるようにすること。
『ストレスフリーの仕事術』 71ページ
あなたが本当にやりたいことに時間を使えるようにする方法の一つがGetting Things Doneです。
ぼくもようやく、やりたかった、仕事関係の勉強を開始できました!
サトウさん、いいですね!全てをやる時間がないからこそ、あなたのやりたいことを実行する準備をこの手法を使って行いましょう。
ここから、Getting Things Doneのやり方をご紹介します。
Getting Things Done の5つのステップ
5つのステップ、特に最初は、ステップ通りに順番に行うことをおすすめしています。
何かをしようと決めた瞬間から、その決めたことが完了するまで、心にはエネルギーが必要で、それを消費し続けるのだ。それが心の宿命なのだ、「牛乳を買わなければ」も「この会社を買収するかどうか決めなければ」も、同じように心のメモリ空間を占拠する。
ではどうしたら心のメモリ空間を開放できるだろうか。簡単だ。それを書き出してみることだ。
『ストレスフリーの仕事術』 58ページ
物事は完了するまで、私たちが思っている以上に脳や心に負担をかけているものです。
いつもは意識しなくても、ふと「あ、あれどうなっていたかな」と心配になる経験は誰もがしたことがあるでしょう。それは、些細な日常のことから重要なことまで程度は違ってもあります。それらをまずは書き出すことが最初のステップです。
最初の収集は「もうないかな?」と思ってからさらに出てくるものもあり、意外に時間がかかります。そのためある程度出たらもういいかと次のステップに移りたくなりますが、次のステップに行くと状況が混乱することもあります。
一度にやろうとせず、一つずつステップを踏んでいくことがポイントです。
そんなに一度に時間が確保できないという方は、1週間は収集する、など時間を細かく分けて複数の日にまたいで行うのもいいでしょう。それでもステップごとにというのはおすすめします。
もちろん、慣れてきたらあなたのやり方にアレンジしていってください。
ステップ1:収集する(全て書き出す)
頭の中にある、やるべきこともやりたいことも全部書き出します。
頭の中の「やりかけの仕事」を全部書き出して意識的に把握しよう。それがあなたの「頭の中」にある限り、すっきりすることはない。頭は考えるためのものであって、何かを保管しておくものではない。
『ストレスフリーの仕事術』 5ページ
まずは、頭の中の気になっていることを全て書き出す、収集です。
通話でもいつもやってもらっているので、スッキリした気分になります。
自分が何をするべきか、何をやりたいか、日常的なことから長期的な目標まで全てを書き出します。仕事でもプライベートでもしなければならないことは意識して書き出さないと、頭や心のメモリを占拠し続けてしまいます。
やるべきことを覚えておくことは、カレンダーやスケジュール帳、ToDoリストなどに任せておけますが、あなた自身の考えやアイデアはあなたしか考えられないことです。
あなたの大事なアイディアが浮かんだ時には必ず書き留めましょう。
それは二度と思いつかないアイデアかもしれないですし、そんな素敵なアイデアは、脳と心のメモリの空き容量を増やしておくことで、考えやすくなります。
書くことを習慣にしておくと、書くことは、簡単に実行できますが、いつもしていないと書き忘れて、せっかくのアイデアがなくなってしまうのはもったいないので、ぜひ書く習慣を身につけることをおすすめします。
それでも、ちょっとなら頭で覚えておこうと思う方はいるでしょう。おすすめは、常に頭の中はスッキリさせておくことです。
ぼくも全部書き出すようになってからのほうが生産性があがりました。
以前は、「ちょっとくらい」とさぼって書かなかったら、気が付いたらやることのリストが頭の中に溜まってしまったり、意外に考えを邪魔したりしていました。
時間をとって仕事の全体像を把握することで、今の仕事を改善したり、変えたりすることもできます。
全部書き出すことで、あなたのするべきことが明らかになることもあります。まずは思いつく限り書き出してみてください。
ステップ2:処理する(次の行動を決める)
書き出したやりかけの仕事に対して次にとるべき行動を決めます。
処理の方法は以下の流れになります。
- 1の収集したことから一つずつやるべきことを取り出す
- 行動を起こすかどうか決める
- 行動を起こさないと決めたら処分、保存、いつかやるリストに転記する
- 行動を起こすと決めたことは、次に取る具体的な行動を決める
- 行動が決まったら、自分でやるか、人に任せるか、後でやるかを決める
- 5まで進めても決まらない時は、いつかやるリストに転記する
この手法でおすすめされているのは、行動に注目することです。
具体的に行動している自分をイメージできるように、やるべきことを書き出していくと、頭はその行動を起こすための準備を始めてくれるので、行動を起こしやすくなり、だから行動できます。
「 具体的に行動している自分をイメージできるように 」ってちょっとぼくには難しいかな。
「他の人が見ても分かるタスクを作成」するのがおすすめです。
なるほど!そういえばいつも意識しています。
タスクは作らず、すぐに行動し完了する2分ルールもおすすめです。
動くのが面倒という時に2分だけがんばろうと思える良い考え方ですよね!
2分ルールを徹底していたら、いつの間にか「面倒」と言われなくなったお客さまがいらっしゃいます。行動を変えたら言葉も変わるんだなと思った出来事です。
ステップ3:整理する (管理)
次にとるべき行動を信頼できるシステムで管理する
ツールでも、紙媒体でも使いやすいもの、あなたの負担にならないものを利用しましょう。
たくさんのツールも利用しましたが、タスク管理パートナーでおすすめしているTodoistは非常に使いやすいツールです。
あなたの記憶の代わりになるものです。いろいろ試してみて、あなたに合うツールを見つけてください。
・あなたが使いやすいこと
・すぐにメモができること
・1日に何度でも見直せること
などが選ぶ基準になります。
ステップ4:レビューする(見直す)
カレンダーと行動リストを毎日見直す
空き時間ができた時にはいつでも、何度でも見直すというのが大事になります。次の行動に迷った時にはすぐに確認し、行動に移します。
私は1日に何十回もTodoistを確認して、そして行動しています。お客さまのタスクも不定期で確認しています。
タスク作成の際に期限を付けますが、見直す際には期限も重要なポイントです。
確かに、よく確認するようになると、迷わなくなり、行動が早くなりました!
ちなみに私は予定は紙の手帳を使っています。毎日使う物なので、自分に合ったものを利用することをおすすめします。
ステップ5:実行する
行動リストを確認し、現在の状況、時間、エネルギーレベル、優先順位を考慮して行動に移します。
ステップ4までは行動に移すための準備です。行動をしやすくなるための準備を行うことで、よりスムーズに動けます。
逆に、これだけの準備をしなければ行動というものがスムーズにできないくらい、行動するハードルは高いともいえます。
適切な期限を設定しつつ、その場の状況に合わせて意思決定できるようにします。アラームなども上手に活用しつつ、実行します。
自分がなぜそれをやっているのかを常には難しくても、できるだけ意識することも大事です。
こちらのブログでは、目的が迷子になっていたお客さまの事例をご紹介しています。
タスクをこなすことが目的になってしまうことがありますので、できるだけ、なぜこのタスクを実行するのかということも考えたいです。
週次レビューのやり方
1週間に一度は必ず実行したい週次レビューについてのご紹介です。
週次レビューは、普段できないことを行う時間です。ちょっとその辺においたタスクを正しい場所に戻したり、全体を見渡したり、頭の中に溜めていることをタスクにしたりなどを行います。
週次レビューでは、いつものタスクの整理に加えて、以下のことも行います。
- 書き留めたメモ用紙の処頭
- タスクリストを見直す
- カレンダーを見直す
- いつかやるリストを見直す
1週間に1度キレイに片付けることによって、溜め過ぎないうちに整理でき、翌週からまたスムーズに仕事が開始できます。
週次レビューで全体を見直すことにより、こんな効果もあります。
あなたの生産性を下げている大きな要因のひとつは「重要だけど緊急ではない」仕事である。(中略)
しかし、ここで考えてみてほしい。こうした「重要かつ緊急」な仕事はいったいどこから来るのだろう。そう、それらはあなたが「重要かつ緊急な」仕事にかまけて無視していた、「重要だけど緊急ではない」仕事からくるのだ。
『ストレスフリーの仕事術』 50~51ページ
実は、自分で緊急な仕事を作っているパターンもあります。
もちろん、「緊急な仕事を無視するわけにはいかない」のですが、毎日がそのような状況であるならば、工夫が必要かもしれません。
重要と緊急については、こちらのブログにも書いていますのでご覧ください。
年末年始、年度末などの区切りに今年の、今年度の仕事をキレイに片付けておこうと思ったことはあるでしょう。毎週のようにそんな気持ちで取り組んでいきましょう。
最初はがっつりと時間が必要ですが、ある程度の期間、毎週繰り返していると毎週時間がたくさんかかるわけではありません。
最初に少し頑張って時間を確保し、週次レビューを行うことであなたの仕事もプライベートも変化することはあるでしょう。
今の選択を最良のものにするために目標を持つ
タスク管理を行う時には、普段の「やらなきゃ」ももちろんですが、目標を立て、それにそったタスクを作成することもあります。
そもそもなぜ目標を持つかと言うと、今の選択を最善のものにするためということも言えます。
目標を持つことの価値は、「いずれ何かを達成する」ことにあるのではなく、「今この瞬間に行う決断の内容と質が、その目標によって前向きに変わる」ことにある。将来への目標こそが、今何認識を向け、何を感じ、何をするかという、あなたの選択のすべてに影響を与える 。
『ストレスフリーの仕事術』 114ページ
確かにそうですよね!こんな目標の考え方もあるのですね。
「いつもと同じ」だと選択する必要がないので、目標を持つことによって、選択する必要ができてきて、意識できることになります。
毎日同じ日々を繰り返すのに目標や向上心など不要です。
もし、今よりもう少し便利に暮らしたい、快適に仕事をしたいという日常の不満の解消から、やってみたいことがある!という目標の実行まで、今とは違う未来を思ったら、今の選択が重要になります。
最後に著者の言葉の紹介です。「何かを知るためにはやってみればわかる」
ベーシックサポートプランでは、毎日のメッセージと週1回の週次レビューで、あなたの毎日が今よりさらに満足したものとなりますようサポートしています。