時間見積もりが甘くなる理由:計画錯誤を防ぐ客観的視点と余裕ある計画の作り方

公開日 2026/2/13

「このタスクは1時間で終わるはず」

そう思っていたのに、気づけば半日経っていた。これは計画錯誤と呼ばれる認知バイアスです。自分の感覚だけで見積もると、先延ばしを招く可能性が一気に増えます。

毎回想定より時間がかかることが積み重なって、締切前に地獄を見るんです

客観的視点で見積もり、余裕(バッファ)を先に確保するルールを作りましょう

この記事では Buehler et al. (1994) 1の計画錯誤研究をベースに、客観的視点(過去実績)とバッファの設計、週次レビューでの見直し方法をご紹介します。

人はなぜ見積りを誤るのか

Buehler et al. (1994) は、人が楽観的に時間を見積もる理由を次のように挙げています。

  • 新しいプロジェクトでは過去の失敗事例を思い出しにくい
  • 「理想的なシナリオ」を基準に見積もってしまう
  • 他者からの評価を気にして、短く見積もることで有能に見られたい

このバイアスを防ぐには「客観的視点」を取り入れることが有効です。過去の実績や同僚の事例(参照クラス)をもとに、現実的な時間を算出します。
※参照クラスとは、自分や周囲の人が過去に実際どうだったかという、現実に基づいた比較材料のことです。

この「他人からの評価」を気にしてってすごく分かります
ついつい早めに言ってしまうんですよね~

見積もりの段階から自分を追い詰めないように、余裕をもって見積もりを行うのが大事ですね

個人的には締切より早く提出することで、他人の評価をあげようという基本戦略なので、見積もりはいつも余裕を持った期日に設定します

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客観的視点での見積り手順

ここからは、どうやって「客観的視点」を取り入れるかをご紹介します。
まずは、客観的視点を取り入れた見積もりをするためのおすすめを3つ紹介します

参照クラスを集める

  • 過去3回分の同様タスクの実績時間の記録を参照する
  • チーム内で似た案件があればデータを共有する

感覚ではなく、事実を参考にします
過去のデータがある場合はまとめておくと、今から行うことにも、誰かへの説明にも、次回のプロジェクトの参考にもなります

確かに、上司や同僚、お客様の説明にも事実の記録は役立ちますね!

ベースラインを計算

  • 直近3回の平均値+標準偏差を出し、中央値を参考にする
    例:資料作成時間(前回5h・6h・4h)→中央値5hとなる

記録が複数あると、さらに精度をあげられます

より説得力がある見積もりを作れますね!

調整要因を加える

  • 今回特有の複雑さ(10%増)、関係者調整(15%増)など
  • 参照クラス+ベースライン+今回の事情を合計する

感覚じゃなく、過去の実績をもとに見積もる+今回の諸事情を加えるだけでも余裕時間が生まれそうです

今回の諸事情は、次回以降にも使える可能性があるので、今回だけだからと思わず記録を残しておくと安心です

余裕ある計画作り:タスクの分割とバッファを合わせる

見積もり精度をさらに上げるために、タスクの分割とバッファ(余裕時間)のルールをセットにします。

先ほどの客観的な視点を取り入れた見積もりに、余裕ある計画作りを加えることで、さらに見積もり時間の精度をあげていきます

過去の実績+今回の諸事情+タスクを分割+バッファを追加することでより現実的な見積もりになるんですね

タスクの分割ルール

  • 3時間を超えそうなタスクは、1時間以下の塊に分ける

大きな塊になればなるほど、見積もりがずれやすくなります
できるだけ小さな時間の塊に分けて時間を見積もるのがおすすめです

大きな塊がずれた時のリカバリーも大変になりますよね

バッファ(余裕時間)の設定方法

  • 個人タスク:15〜30%の余裕時間を最初に確保
  • チームタスク:締切の2日前に内部締切(レビュー日)を設定

個人やチームの状況によって変わりますので、その時に適したバッファを検討してみてください
どんなにいろいろなことを想定しても、それでもトラブルや困った出来事は起こるものと考えて余裕はしっかり確保したいところです

休みの予定や他の仕事の状況など、この仕事以外の状況などもざっくりとでも確認するだけでも正確性が増しますね

バッファは使っても良い時間として計画に組み込み、余った場合は休息や次のタスク準備にあてます。

合流ポイントを確認する

  • 分割したタスクが合流するタイミングを明確にする

タスクを分割することで時間の見積もりがしやすくなるのは、タスクの小さなゴール(合流ポイント)を確認してから次に進むという工程が必要になるからでもあります

正直、1回1回の手間が増えて面倒ですが、確認ポイントがある方があとで大変なことになりにくいんですよね
5分の確認の積み重ねをさぼったら、何時間ものロスになると思って、確認をするようにしています

週次レビューに組み込むチェックリスト

見積もりを見誤る原因も分かり、計画錯誤を防ぐ客観的視点と余裕ある計画の作り方を取り入れて計画し実行すると、かなり進めやすいと思いますが、それでもやはり見積もりはずれるもの。

見積もりがずれることを想定して、レビューの時間をしっかりと確保して修正していくことが必要になります。

見積もりはあくまで見積もりなので、見直しと修正が必要になります
週1回のペースでできると調整がしやすくなります

  1. 今週の見積もりと実績にズレがあったタスクはあったか?
  2. ズレた理由(外部要因・内的要因)をメモしたか?
  3. 次回の参照クラスに追加したか?
  4. バッファを削られたまま放置していないか?

ズレの原因を確認する項目を入れるだけで、翌週の見積もりが変わります

週次レビューでの棚卸しを続けると、自分専用の参照クラスが充実していきます
個人でもチームでも週1回のレビューはおすすめですが、なかなか取り組めない場合は、タスク管理パートナーがお手伝いします

タスクの共有で見積りと実績を可視化

個人のタスクをしっかりと完了するために、タスクの共有で日々のズレをタスク管理パートナーと一緒に確認するとさらに精度が高まります。

毎週1回の週次レビューに加えて、タスクを共有、記録することでズレがさらに小さなものになります

タスク管理パートナーと共有しているタスクに以下の項目を追加し、見積りと実績のギャップを見える化します。

  • 見積もり時間(h)
  • 実績時間(h)
  • バッファ消費量(%)
  • コメント欄にズレの原因を記録

データが溜まると、「どの種類のタスクがズレやすいか」がわかり、優先的に改善すべき領域が見えてきます。

これらをチームで行うのもおすすめです
タスク管理パートナーは、あなたの記録を日々確認し、週次レビューでも確認、改善した方が良い場合はその方法をご一緒に考えて改善に近づけます

要点まとめ

このブログの内容をまとめると以下のようになります

  • 計画錯誤は理想シナリオで見積もることで起こるため、客観的視点が必須
  • 参照クラスを集め、中央値と調整要因を使ってベースラインを設定する
  • タスクの分割とバッファで、現実的な行動計画を作る
  • 週次レビューでズレの原因を言語化し、参照クラスに追加する
  • タスクの共有で見積もりと実績を見える化し、改善を継続する

ここまでできると、計画が大きくずれることはなさそうで、安心して取り組めます

どこまで計画するかは、状況によって違いますので、紹介した方法を分割して、必要な部分を組み合わせてのご利用もおすすめです

よくある質問

Q. 過去のデータがない場合はどうすれば?

A. まずは今回から記録を始めましょう。

3回の実績が集まれば、次回の参照クラスになります。同僚のデータを借りるのも有効です。

合わせて、自分だけではなく、同僚や上司にも実績の記録作りを提案してみましょう

いろんな参照クラスが溜まるのでいいですね!

Q. バッファを確保すると逆にダラダラしませんか?

A. バッファは「緊急時に使って良い時間」と定義し、使わなかった場合は報告や記録をしておくと緊張感が保てます。余った時間でレビューやストレッチなど生産性につながる行動をするのもおすすめです。

バッファは基本的には、休んでいい時間でも、サボっていい時間でもありません
基本的にはにっちもさっちもいかなくなってしまった時の切り札的なものだと思ってください
バッファは自分たちのための時間というより、お客様や関係先に迷惑をかけないための時間です
もちろん、適切な休養を取ることにも使いましょう

バッファを取っておかなかったら…とヒヤリとした案件があったので、何が起こるかわからないし、念のための時間の重要性は身をもって体験しています

Q. 上司・クライアントが短い見積もりを要求してきます

A. 参照クラスのデータを提示し、短い見積もりでは品質が落ちる根拠を説明しましょう。内部締切と外部締切の二段構えを提案するのも効果的です。

記録があると、説明がしやすいですね

感覚で無茶を言う人に対して対処しやすくなりました

Q. 個人タスクとチームタスクで見積もりはどう変わりますか?

A. チームタスクは調整時間が増えるため、個人タスクよりもバッファを多めに設定します。レビュー日や確認フローをカレンダーに先に入れておくと、ズレを吸収しやすくなります。

関わる人数が多くなればなるほどバッファは多めにとるのがおすすめです

慎重であって悪いことはないなと感じています

このブログを読んでなるほどと思うことがあればぜひお試しください
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参考文献

  1. Buehler, R., Griffin, D., & Ross, M. (1994). Exploring the “planning fallacy”: Why people underestimate their task completion times. Journal of Personality and Social Psychology. doi:10.1037/0022-3514.67.3.366 ↩︎

著者

ふくおか なみこ

ふくおか なみこ

タスク管理パートナー代表パートナー。 さまざまな業種、立場のお客さまの行動管理、習慣定着のお手伝いをしています。 司書として複数の図書館に勤務。改善に取り組んだ経験を元に、大阪梅田に私設図書館(コワーキングスペース)をオープンし、多くのビジネスマンに快適なスペースの提供、ビジネスのサポートをしてきました。 大学や図書館関係での講演経験あり。 出版、小物販売、着付け教室などの小規模ビジネス起業経験も。 仕事、勉強のはかどる仕組み作りとモチベーションアップを応援しています。

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