『習慣の力』チャールズ・デュヒッグ著/講談社

こちらの本より、習慣が誕生する理由、プロセス、習慣の変え方、そして一つの習慣に狙いを定める重要性と起きる変化についてご紹介します。

一つなんですか?ぼくはいろんなことを習慣にしたいと思っていますが・・・。

本書は、連鎖反応、梃子(てこ)の原理を習慣にも活用しようと提案しています。まずはブログを最後までご覧ください。

習慣とは、考えなくても毎日行えること

ここで扱う習慣とは、専門的に次のように定義されるーある時点で意図的につくり、やがて考えなくても毎日、何度も行うようになるもの。

『習慣の力』10ページ

毎回考えなくても行動できることですね。

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動のじつに40パーセント以上が、「その場の決定」ではなく習慣だという。

『習慣の力』8ページ

いろんな研究で私たちの生活の約4割が習慣になっていると書かれています。
毎日の繰り返しが習慣になります。

習慣は、脳が楽をするためのもの

最初はどんな行動も習慣ではありませんが、習慣はどのように形成されるのでしょうか?

一連の行動を無意識に行える慣例に変える脳のこのプロセスは、チャンキング(いくつかのものを一つのものとして記憶する)として知られている。これこそが習慣形成の基本なのだ。私たちは毎日、何十、何百、という行動のチャンクに頼って生活している。

『習慣の力』39ページ

習慣が形成されるのは、脳が常に楽をしようとするからだという。脳はできるだけ介入を避け、決まった手順を何でも習慣にしてしまおうとする。その方が労力を節約できるからだ。

『習慣の力』40ページ

考えるという行為はそれほど脳を酷使するということなので、できるだけ習慣にすることで生活がしやすくなるのですね。

習慣にすることで労力が節約できるので、新たなことができたり、考えたりできるようになりますね!

脳の中で起こっているこのプロセスは、3段階のループだ。

第一段階は「きっかけ」で、これは脳に自動作業モードになるように、そしてどの習慣を使うかを伝える「引き金」である。

次が「ルーチン(きっかけに反応して起こる慣例的な行動や思考)」で、これは身体的なものだったり、脳や感情に関わるものだったりする。

そして最後が「報酬」で、これはある具体的なループを、将来のために記憶に残すかどうか、脳が判断する役に立つ。(中略)きっかけと報酬が相互につながると、強力な期待や欲求が生まれる。やがて、そこに一つの習慣が生まれる。

『習慣の力』41~42ページ

今、毎日行っている習慣も、きっかけ(ご飯を食べ終わったから歯磨きをしよう)があり、その行動を行い(歯磨きをする)、報酬(歯を磨くとスッキリする、虫歯になる確率を下げられた、歯医者さんで褒めてもらえるなど)があります。

報酬は必ずしも、欲しいものでなく、嬉しい、楽しい感情や将来への期待、悪い未来を避ける努力なども含まれます。

本書ではこのように習慣が生まれる過程を定義しています。
習慣化については、下記のブログも参考にしてください。

習慣は変えることができるのか?

私たちの習慣は良いものばかりではなく、中にはやめたいと思っている習慣を持っている方もいるでしょう。そんな習慣を変えることはできるのでしょうか?

本書では、きっかけと報酬に気づくことを覚えれば、ルーチンを変えることができるとしています。

  1. シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること
  2. 具体的な報酬を設定すること

上記の2つを行うことにより変えることができるということです。ただし慎重に行うことをすすめています。

ばかばかしいほど単純に見えますが、いったん自分の習慣の仕組みに気づき、きっかけと報酬を認識さえできれば、半分は変えられたも同然なのです。

『習慣の力』119ページ

認識することが第一歩です。習慣は意識しなくてもできるようになっていることなので、それをもう一度意識することになります。

仕組みに気付く方法として、記録する、他者に指摘してもらうなどがあります。

習慣の具体的な変え方

変え方は分かったけど、もっと具体的に、さらに別の方法も知りたいという方に以下の4つの方法もご紹介します。

慣れていることと新しい習慣を組み合わせる

習慣は3段階のループ(きっかけ、ルーチン、報酬)だが、ダンジーは2番目のルーチンだけを改造しようとしていた。最初と最後には慣れたものがあったほうが、新しい行動を受け入れやすいのは経験からわかっていた。

『習慣の力』99ページ

きっかけは変えずに、やることだけを変えるという方法です。

新しい習慣を受け入れにくい原因は人それぞれです。気持ち的に受け入れにくいことであれば、まずは1週間だけやってみることをおすすめします。その時には、引用でご紹介したように、今までの習慣を活用するのがおすすめです。

忘れっぽい方は書いて掲示する、タスク管理を行う、時間のない方は新しい習慣のための時間を確保します。

誰かと一緒に行う

変化が達成できそうなグループに入ると、その変化が起こる可能性が大きくなる。生活の立て直しができた人の大半にとっては、決定的な瞬間もなければ、人生を変えてしまうほどの不幸もなかった。ただ変化を信じさせてくれるコミュニティー自分を含めて二人だけの場合もあるーがあっただけだ。

『習慣の力』136ページ

誰かと一緒に行うのはとても効果的です。ちょうど良いコミュニティを見つけられたら参加してみる、友だちや家族とやってみる、そしてSNSを活用してみるのもいいですね。

タスク管理パートナーもいつでもお手伝いします。また、いろんなグループやコミュニティに参加するのも有効です。

意志力を強くする

ここでもまた、意志力を強化することで、その習慣が生活の他の部分へと広がっていくことが示された。「無理してでもジムに行ったり、宿題を始めたり、ハンバーガーではなくサラダを食べるようにすることは、自分の考え方を変えることでもあるのです。」(中略)

「そうすると人は自分の衝動をコントロールするのがうまくなります。誘惑から気をそらす方法を学ぶのです。そしてそれが決まった行動になると、脳もあなたが目標に向かってまっしぐらに進むのを助けるのがうまくなります。」

『習慣の力』197ページ

意志力は学んで身につけられるスキルで、筋肉のようなものです。使えば使うほど消耗し、他の事をする力がなくなってしまうけれども、鍛えて増やすことも可能です。

自分の現在の意志力の量を知るとよりやることが進みやすくなります。

個人的に経験したことなのでよく分かりますが、ちょっとだけがんばることで、意志力は増え、いろんなことに応用できるので、今までできなかったことができるようになってきました。
がんばるけれど、できるだけ大変ではなく、ラクにできるとさらにいいですね。

自分で選択する

自制心を必要とする作業を頼まれたとき、それが自分自身の望みでもあるときー自分で選んだと感じられる、あるいは誰かの役に立つ作業なので満足感が得られるなどーは、苦しいと感じる度合いが減ります。

しかしただ命令に従っているなど、自分の意思がまったく反映されていない場合は意志力の筋肉が消耗するスピードがはるかに早い。

『習慣の力』212ページ

やらされている感があると、余計に疲れる理由の一つですね。

仕事では、こういった場面もあるかもしれません。おすすめの方法はタイムアタックです。1日15分だけ取り組む、あるいは30分でできるところまでやるなど、自分で目標を設定しなおし、少しでも意志力を消耗しない方法を選択してください。

キーストーン・ハビットとは、他の習慣にも影響を与える習慣のこと

キーストーンとは、 欠かすことのできない重要な所や物の意味です。そんな重要な1つの習慣に取り組むことで他の習慣にも影響を与えることを本書では書いています。

(前略)リサが「喫煙」という一つの習慣を変えることに専念したためだと、研究者たちは考えている。その調査の対象となった他の人たちも、同じような過程を経ていた。一つの習慣に狙いを定めることで、他の行動もプログラムしなおすことに成功したのだ。

『習慣の力』6ページ

きっかけとなる習慣は、喫煙だったり、運動だったり、ダイエットだったりと人によってさまざまです。多くの場合、どの習慣がというよりも成功体験が大きく影響すると考えています。

私のきっかけは、タスク管理でした。

一つの習慣を変えれば、それが連鎖反応を起こして他の習慣も変わっていく。習慣にはそのような力があると、オニールは信じていた。(中略)キーストーン・ハビットという考え方によれば、成功の秘訣はすべてのことを完璧に行うことではなく、いくつかカギとなるものを見つけて、それを強力な梃子にすることにある。

『習慣の力』148ページ

いくつも同時並行できるとそれがベストではありますが、かなり難しいことです。なのでいろんな本でも「何か一つ」「最初は小さく」など同じことが書いてあると思います。そして実際に成功している人の新しい習慣の取り入れ方は多くの場合、一つから、小さくはじめて毎日続ける、です。

習慣化に成功している人も何か新しいことを始める時は複数ではなく、一つが圧倒的に多いと思います。

そうなんですね!だから最初は一つなんですね。ついついあれもこれもと欲張っていましたが、まずは1つの習慣を続けることを意識します!

習慣にしたいことが複数ある場合も一つずつ始めることをおすすめしています。

習慣を変えるもっとも大事な事

ただし習慣を変えたいなら、まず変えることを決意しなければならない。習慣のルーチンを起こすきっかけと、その結果としての報酬を特定するという難しい作業を行い、代わりになるものを見つける必要がある。

『習慣の力』361ページ

決意と言うと大げさかもしれませんが、少なくとも「やってみたい」「やってみよう」という気持ちは大事です。「〇〇さんにやれって言われたから」「みんながいいって言うから」という言葉が思いが浮かんだときは、もう一度あなたがやりたいことか考えてみましょう。

いいことって分かっていても行動できない時もありますよね。

毎日の通話やメッセージで確認させていただきますね。心配な気持ちも不安な気持ちもあると思いますが、まずは始めてみましょう!継続は全力でサポートします!

習慣にしたいことによって、習慣化するまでの時間が違いますが、まずは21日間習慣定着コースで1つの習慣を身に付けましょう。

YouTubeの動画もご覧ください