Twitterで話題になった(炎上した?)本『年収200万円で豊かに暮らす』横山 光昭監修/宝島社

こちらの本についてご紹介しながら、この本と節約について、本書をタスク管理を使って活用する方法をご紹介します。また、年収200万円の生活について体験を基に書いています。

年収200万円とはどんな生活か

著者は何冊も「年収200万円」のタイトルが付いた本を出版しています。

  • 『年収200万円からの貯金生活宣言』
  • 『年収200万円からの投資生活宣言』
  • 『神さまが教えてくれたお金の話 年収200万円から始める!貯まる習慣』

今回の本についても、その他の本にしても、なぜ年収200万円なのかの説明はありませんが、この本に関しては年収200万円に言及しているのは、確認できただけで2ヶ所です。監修者の文章はこの一文です。

年収200万円しかないから貯まらない、節約なんてあまり効果がないと、勝手に思い込んでいる人もいます。

『年収200万円で豊かに暮らす』4ページ

なので、年収200万円が総収入(税金などの控除前)なのか、手取り(税金控除後)なのかも不明ですが『神さまが教えてくれたお金の話 年収200万円から始める!貯まる習慣』では、主人公が都内で働くサラリーマン27歳で年収200万円、手取り17万円で家賃5万5千円の物件に住んでいます。

手取り17万円。5万5千円の家賃を引くと、11万5千円。11万5千から、生活のために水道光熱費、通信費、食費、消耗品費なども必要になるので、自分の自由に使えるお金は月5~6万円くらいでしょうか。

それでも十分という人も環境もあれば、絶対に生活できないという人も環境もあるので、何ともいえませんが、贅沢ができる金額ではなさそうです。

交際費や趣味の活動もかなり抑えなくてはいけなくなりますね。

諦めて何もしないか、相当の工夫が必要になる金額です。

本の内容はいろんな方の節約方法の紹介

個人的に節約好きです。以前より節約関係の本を読んだり、動画を観たりなどしています。読んだ節約本や雑誌は100冊は下らないと思います。もちろん監修者の本も読んだことはあります。

これだけ読んでいるので、3度読みましたが新しい節約方法の発見はありませんでした。

たくさんの節約の知識を得て、私が効果的だと考えた節約方法はこちらのブログでご紹介しています。

節約は無理をすると続かないということで本書では「ゆる節約」という言葉が出てきます。節約を楽しく、無理なく行って、長く続けようという趣旨です。

内容は今すぐ実践しやすいことも多く紹介されていますので、節約したいと思われた方の最初の1冊としてもおすすめできます。

監修者の他の著作も節約の基本的なことが書いてあるので、節約の参考になることはあると思います。

年収200万円の人に向けて書かれた本ではない

年収200万円と一言でいっても、その人のおかれた状況やお金の使い方によって、ずいぶんと感じ方は違いますが、少なくとも、生活に余裕のない年収200万円の人に向けた本ではありません。

  • ちょっと無駄使いが多いから節約とかしてみようかな
  • 旅行に行きたい!ブランド物のお洋服が欲しいから他のことをちょっと我慢しよう
  • そろそろ将来のために節約とかした方がいいかなあ

こういう感じの方に合っている本です。

22人の執筆者の中には実際に年収200万円という人も数人(3人くらい?)はいるようですが、その他の方や監修者はもちろん、年収200万円という生活はほぼ知らないでしょう。そして、この本を手に取る人のほとんどは年収200万円ではないはずです。税込み759円は17万円の給料では買わない決定になる可能性が大きいからです。

年収200万円の何が問題か

Twitterで炎上した年収200万円で「豊かに暮らす」ですが、実際年収200万円の人はどのくらいいるのでしょうか?

厚生労働省の令和2年民間給与実態統計調査(PDF)によると100万円以下から1000万円まで100万円刻みに統計が取られています。100万円、200万円を合わせると、男性3,266,586人 女性8,379103人。働いている人の約22%が年収200万円以下となります。常勤、非常勤、正規、非正規、平均などいろんな結果が見れる表ですので、ご興味のある方はご覧ください。

私自身、非正規雇用で給料が安かった時期があるので、その時の状況、心境を例に年収200万円の問題をあげてみます。

何をするにしてもお金のことを心配する必要がある

年収200万円よりは多かったですが、大阪で一人暮らしだと、生活はできなくはないですが、いつもきついなと感じていました。いつもお金のことを気にしている感じです。もともと節約体質の私がそう感じる金額です。なので、更なる節約が必要という状況になります。

人生全体が無力感に覆われる

執筆者の中にYoutubeで拝見したことがある方がいました。その方は、自分で選択して働く時間を短くし、節約生活をされています。

この自分で選択するというのが気持ちに与える影響は大きく、私も起業直後は貯金を崩していましたが、自分が選択したことなので、それが辛いとも、大変とも思わなかったのです。

年収200万円でも、自分で選択していたり、その状況に満足できているのなら問題はないのですが、多くの年収200万円前後の人は、仕事をやめたくても転職ができるかわからない、それなら今の職場で我慢して・・・という気持ちで毎日を過ごしているから辛いのです。そういった状態になると、お金もないから欲しい物も買えないという気持ちが、お金が関係ない他の分野へのやる気まで奪っていき、人生全体を諦める気持ちにつながります。

スキルも身に着かず、退職金もなく、動くに動けない状況になる

そうやって何年も動けずにいると、年齢だけ重なりさらに転職市場で不利になっていきます。でも年収200万円の人のほとんどはスキルも身に着きにくい職場にいるのでさらに転職も難しく・・・となります。

非正規で図書館勤務をしていた時、某転職サイトに登録してみたら、あなたに紹介する仕事はないと返事がきました。非正規では、転職サイトなどを通した市場価値はほぼありません。自分の価値さえ否定された気分になります。多くの非正規図書館司書は任期が終わったら、別の図書館で非正規で働きます。

その時の同僚全員がやる気もなく、年齢もほぼ変わらないのに老人のような雰囲気を持っていたのは個人の性格もあるでしょうが、この無力感も大きかったのかと今では思います。とにかく長くいてはだめだと勤務してから思ったので、仕事を覚えながら引継ぎ書を作っていました。それでも、安くても安定収入は魅力だったので結局5年も勤務していました。早くに抜け出そうと思っていたのに、この年月です。

「年収200万円しかないから貯まらない、節約なんてあまり効果がないと、勝手に思い込んでいる人もいます。」これは事実でもありますが、節約には工夫も気力も必要なのですが、それすら奪われてしまうことが問題だと感じています。

タイトルの付け方は誠実ではないと感じています

監修者もそして編集者も年収200万円を経験したこともおそらくなく、年収200万円の人と会うこともおそらくないでしょう。なぜなら、年収200万円の人が家計を見てもらうために監修者に依頼することはかなり特殊なケースを除いてなかなかないと思っています。

年収200万円では、目に見えないサービスに支払う心の余裕はなかなかおきません。

『神さまが教えてくれたお金の話 年収200万円から始める!貯まる習慣』の主人公は手取り17万円ですが、会社の人との飲み会にはよく行くし、彼女と一緒にいいレストランに行き、プレゼントも贈るし、毎日コンビニに行くしと、話の流れとは言え、手取り17万円の生活ではないので、だいたい年収300万円~くらいの著者のもっとも給料の低かった新社会人時代などを想像して書いているかと憶測しています。

もちろん状況によっては、年収200万円でも豊かに暮らせるでしょう。でもただ目立つために、売れるためにこのようなタイトルを付ける姿勢は監修者も出版社も誠実とは言いにくいと感じています。

どうせ、何をしても無駄という気持ちが人生全体に広がっていく虚しさを監修者や出版社は知ったうえで年収200万円で「豊かに暮らす」というタイトルを付けられるのでしょうか。

お金の問題もそうですが、気持ちの問題が大きくなるのですね。

あくまで私の経験なのですが、希望を奪われていくのがもっとも大きな問題だと感じました。

せっかくなので、本書を活用する

とタイトルの付け方には問題は感じても、私もせっかく購入しましたし、ファイナンシャルプランナー2級も取得しているので、この本の活用方法をお伝えします。

購入した物は、価格以上に役立ててこそという気持ちは持っています。

購入して良かった、役立ったと言えると、買い物の満足度もあがりますね。

モチベーションアップ

節約にしても、その他の頑張りたい事にしても、モチベーションが続かないことはよくあることです。そんな時に、他の人の頑張りを読むだけでもまたやる気は出てくるものです。

節約をしている人はお持ちの節約本を常に見えるところ、手に取りやすいところに置いてやる気の継続に活用しましょう。

読んだり、見たりするだけでも意外に効果的ですよね。

効果はいつか薄れますが、効果がある時だけでもぜひ活用してください。

毎日1つタスクを作って実行してみる

実用書は実践してこそ、です。

そこで、196例ある節約方法の中からやってみたいことをタスクにして実行することをおすすめします。

ほんの少し、それはちょっと・・・という内容もありましたが概ね無理のない節約で取り組みやすいものが多いのでおすすめです。

執筆者の節約の考え方なども役立つことと思います。また、考えの近い執筆者の節約方法を真似してみるのも効果的です。

本を参考に自分なりの節約スタイルを作る

22人の執筆者の節約方法をまとめた本ですが、一人ひとり、節約の考え方もやり方も少しずつ違います。

自分にちょうどいい節約方法を見つけられると無理せず長続きしやすいので、本書を参考にいろいろと試しながらあなたの節約スタイルを作っていきましょう。

その際に、タスク管理を記録のように活用し、やった節約、効果のあった/なかった節約などをまとめておくと特に最初の頃に役立ちますのでお試しください。

自分のスタイルが作れると、きっと自然にできるようになりますね。習慣になるような感じでしょうか?

サトウさん、おっしゃる通りですね。
ご自分の考えに合ったことを無理なく実行することで習慣になりやすくなります。その際はぜひタスク管理も活用してみてください。

パートナーの節約方法のご紹介

上記にリンクを貼ったブログにもご紹介していますが、ここでは別の方法をご紹介します。

先ほども書いたように私は節約好きな方ですが、自分に合った方法を取り入れているので、特に節約をしていると感じていないのです。

さらに、非正規で働いていた時は気持ちの余裕がなく、ストレスもあり節約をする余裕もありませんでしたが、落ち着くと無理なく節約できるようになってきました。

使いたい項目をはっきりさせる

私がお金を使いたい項目は、習い事、勉強、旅行です。これ以外は節約して、使いたい項目にたくさん使えるように調整します。

いわゆる、出費にメリハリをつけることができると、満足度が高まります。

家計簿は出費だけ記入、購入する時によく考える

家計簿は付けていますが、収支は合わせません。出費だけ記入して見直して無駄があれば次月以降気を付けます。

家計簿をつけなくても、購入する時点でかなり考えると無駄遣いはほぼなくなりますが、数字で現実を知るのも有効なのでレシートだけでも見直すと意識がしやすくなります。

環境を意識してみる

節約というのは、環境に良いことが多いので「もったいない」気持ちを活用してみるとそれが節約につながったりします。

無駄のない食材購入でフードロスが減ったり、無駄な電気を使わない、着ない洋服は買わない、使わない物は買わないことでゴミの削減になるなど環境を意識した結果、節約につながることもあります。

あなたの節約の参考になりましたら幸いです。

この本は、Twitterで炎上した本ではありますが、内容はごく普通の節約本ですので、興味がありましたら手にとってみてください。

また、タスク管理パートナーは、ファイナンシャルプランナー2級も持っていますので節約の相談も受け付けます。

タスク管理パートナーでは、節約のサポートもしています。お一人でがんばって難しかった場合はお気軽にご相談ください。
ベーシックサポートプランであなたの将来に向けてのお金や生活、仕事についてもやることを決めて実行していきましょう。