「自分にもっと厳しくしなきゃ」と思うほど動けなくなってしまうことはありませんか?
先延ばし研究では、自己批判が強いほど再チャレンジできないことが分かっています。必要なのは「自分に厳しくすること」でも「自分を甘やかす」ことでもなく、自分に思いやりをもつこと─セルフコンパッションです。
自分はダメだって責めた時ほど、動けなくなるんですよね
知ってはいるけど、ついつい責めてしまう時はあります
セルフコンパッションとは、自分自身に優しく思いやりをもって接することをいいます
セルフコンパッションで感情を受け止めると、行動したい気持ちが戻りやすくなります
できないことを責めるのではなく、どうすればできるようになるかを一緒に考えて行動していきましょう
この記事では、
- Sirois & Pychyl (2013)1の気分修復モデル
- Sirois (2014) 2
- Wohl et al. (2010)3
たちの研究をもとに「セルフコンパッション」と「自分を許す」ことを日常で行う方法を取り入れながら、先延ばしを減らす方法をご紹介します。
先延ばしは短期的な気分転換:先延ばしのループとは
Sirois & Pychyl (2013) は、先延ばしを「短期的な気分転換」と位置付けています。
嫌悪・不安といったネガティブな感情から逃れるためにタスクを回避すると、その瞬間は楽になるものの、罪悪感が増して次の行動がさらに難しくなる、そんな悪循環が始まります。
- 嫌悪感 → 回避行動 → 一時的な安堵 → 安堵後の罪悪感 → 自己批判 → 再び逃避
- 回避行動で本来のタスクに戻れなくなる
- 結果的に、先延ばしになる
罪悪感で心が重くなると、また別の楽なことや、やりやすいタスクに逃げてしまいます
セルフコンパッションで先延ばしを減らす
Sirois (2014) はセルフコンパッションがストレスを軽減し、先延ばしを抑制することを示しました。
セルフコンパッションは以下の3要素で構成されます。
- 自分への優しさ:「またやってしまった」ではなく「よくあるよね」と友だちに言うように優しく自分に声をかける
- 共通の人間性:他の人も同じような経験をしているととらえる
- マインドフルネス:感情を評価(良い/悪いなど)せずに受け止める
セルフコンパッションが実践できている人は、ストレスに振りまわされにくく、タスクに再度取り組む時間が早まる傾向があります。
自分を許すことは、次の先延ばしを減らす行為
Wohl et al. (2010) は、自分を許す行為(Self-Forgiveness)が次の先延ばし行動を減らすと報告しました。
自分を許すことは「自分の失敗を肯定はしないが、責め続けることも手放す」態度です。自分を許すことを実践すると、罪悪感による回避行動が弱まり、次の行動に取り組みやすくなります。
- 失敗を認める
- 失敗が起きた状況を理解する
- 次に同じような状況が起こった時はどう行動するかを決める
自分を許すことと、甘やかすことの違いが良くわからず、結局甘やかしてサボっちゃうんじゃないかと不安になり、厳しくしてしまうんですよね
バランスが難しいところですが、次の行動につなげられたかどうか、という視点で考えるのもおすすめです
やるべき行動ができた時は自分を許すことができた、サボってしまった時は自分に甘かったということです
行動ができた時の感情がどんなものだったかを確認し、何度も繰り返すことで許すという行動が納得できるかもしれません
先延ばし防止の実践:3分セルフコンパッション+If-Then
なるほど~と頭では納得できても、抽象的で、じゃあどうすればいいの?とも思いますよね
ここでは、すぐに使える例をご紹介します
一度ぜひ試してみてください!
ここでは、連続した3分の実践方法をご紹介していますが、1つだけでもいいし、10秒やってみるだけでも何か変化を感じられると思います
セルフコンパッションの声かけ(1分)
「大丈夫、誰にでもある」「今日からまた始めればいい」といった優しい言葉を自分に言ってみる。
こういった声かけを自分に行います
自分に厳しいと自覚のある方は、あなたの友だちに言うようにあなた自身に言ってみてください
もし、厳しいことを思った時には「同じことを友だちにも言える?」と自分に聞いてみてください
あ、そう考えると、自分に向けて言っていたことを友だちに言っちゃったら友だちに距離をおかれてしまうかも・・・
ぼくはそんなことを自分に言っていたんですね・・・
友だちには距離をおかれていないので大丈夫です!
でもちょっと厳しすぎたかもと思われたらぜひ今日から優しい言葉をかけていきましょう
感情のラベリング(1分)
自分の感じている気持ちを言葉で表現(ラベリングする)します。心の中や誰にも見せないノートなどに「恥ずかしい」「不安だ」と感情を言葉にして確認します。
どんな感情もあなたの感情です
今、どんな気持ちか、ちゃんと確認していきます
自分の、特にネガティブな気持ちを確認することにどんな意味があるんですか?
感情を表現することで、ストレスが軽減され、感情がコントロールしやすくなります
言葉にすることで、漠然とした不安や怒りを落ち着かせ、客観的に状況をとらえ、適切な対処法を見つけやすくなるんです
感情を言葉にするだけでそんな効果があるんですか!
それならどんどんやっていきます!
If-Then プランニング(1分)
If-Then プランニングとは「もし(If)〇の状況になったら、△(Then)をする」という形式で、具体的な行動を決めておき、目標達成や習慣化を促進する方法です
例:「もし心臓がドキドキし始めたら、深呼吸を3回してからタスクに戻る」
例えばぼくだったら、仕事の区切りがついたら(if)、ストレッチをする(then)みたいな感じですね!
はい、その通りです
ifは今、習慣的に行っていることやよくある日常の出来事がおすすめです
私は、集中力が切れたら(if)、水分を取る(then)をしています
無数の組み合わせができますので、続けたい習慣(then)を今の行動(if)と結び付けて組み立てましょう
この3分ルーティンで、気持ちが少し軽くなる感じがします
感情を否定せず受け止めるだけで、行動のギアが入りやすくなります
1日2回、自分に対する対応を確認する
な~んて分かったつもりで受け答えしましたが、これが自分一人だとできないんですよね
大丈夫です
サトウさんと同じ方はたくさんいます
しっかりサポートしますので「できない」を「できる」に変えていきましょう
朝は「今日の小さな一歩」を宣言し、夜は「できたこと」「感じたこと」を報告します。
毎日の通話やメッセージで報告することで、反芻(ネガティブ思考の繰り返し)が抑えられ、セルフコンパッションが定着します。
1日2回のメッセージと週次レビューで、タスクを進めることと同時にセルフコンパッションにも気を付けることができる一例をご紹介します
- 朝:今日やることと感情を一言添える
- 夜:できたこと/できなかったこと/明日への声かけを送る
- 週次レビュー:セルフコンパッションのフレーズを1つずつ増やしていく
タスク管理パートナーさんのサポートを受けて「見たくない」が「できるかも」に変わりましたし、実際にできると自信ももてて、他のことにも挑戦できるようになってきました!
効果を感じていただいていて良かったです
これからも先延ばしを減らしつつ、たくさんのことに挑戦していきましょう!
要点まとめ
- 先延ばしは短期的な気分転換であり、罪悪感がループを生む
- セルフコンパッションはストレスを介して先延ばしを減らす効果がある
- 自分を許すことは次の先延ばし行動を減らし、再チャレンジを促す
- 3分セルフコンパッション+If-Thenで感情を受け止め、行動に戻れる
- 朝夕の報告をルーティン化し、反芻を減らすことでセルフコンパッションが定着する
他人はもちろん、自分も責めることで、生産性も落ちるし、次の挑戦はできにくくなるし、先延ばしはひどくなるしってことでいいことはないってことですね!
そういうことになりますね
ご自分の状況を正しく認識することは大事ですが、不必要に責めることは控えていきたいですね
よくある質問
Q. セルフコンパッションは甘やかしになりませんか?
A. 目的は「行動を再開できる状態」を作ることです。自分を責め続けると行動ができにくくなるため、セルフコンパッションで感情を整えた上で、具体的な行動につなげていきます。
自分に厳しい方が多いため「甘やかし」につながるのではと不安に思われる方は多いですが、甘やかすのではなく、事実を把握して必要な時には行動するというように、とらえ方を変えることで、行動を変化させ、タスクを進めやすくしていきます
Q. 自分を許すこととセルフコンパッションの違いは?
A. セルフコンパッションは「自分に対して思いやり」の感情をもつ態度、自分を許すことは「過去の失敗」をとらえ直して未来に生かす態度です。セットで使うと効果的です。
セルフコンパッションは「自分への思いやり」、
自分を許すことは「特定の過ちや失敗に対する許し」となります
セルフコンパッションはマインドフルネスと深い関係がありますが、セルフコンパッションと自分を許すことも関連する考え方になります
Q. 具体的なセルフコンパッションのフレーズが思いつきません
A. 「○○してしまった自分も、人間だから仕方ない」「今日できる範囲でやってみよう」といったシンプルな言葉から始めましょう。週次レビューで気に入ったフレーズをストックしていくのもおすすめです。
続けていくと慣れていき、自然にフレーズも出てくるようになります
まずは慣れるまで週次レビューや通話で繰り返しセルフコンパッションを続けていきましょう
Q. 他人にセルフコンパッションを共有するのが恥ずかしいです
A. パートナーにセルフコンパッションの感情を共有することは必須ではありません。ただ、伴走者と共有すると、パートナーからの優しい視点を知る機会が増えるため、定着が早くなります。テキストベースでも十分です。
あなたが共有したいことだけ共有していただければ大丈夫です
どんな時も無理をせずに、慌てずに進んでいきましょう
マンツーマンのサービスだからこそ、あなたのペースに合わせて対応できます
セルフコンパッションを毎日の習慣にしたい方にはフルサポートプラン、まずは、週1回言葉を増やしていきたい方はベーシックサポートプランがおすすめです
参考文献