『時間術大全』ジェイク・ナップ ジョン・セラツキー著/ダイヤモンド社 

GoogleとYouTubeで働いている著者たちの本ということで2019年の発売当時に話題になりましたよね。

時間術の基本は他の本と大きく変わりませんが、本書独自の時間を作るための4つの方法についてこのブログではご紹介します。

同じことも書いてありますが、それぞれの本で違った考え方もあるので今回も楽しみです。

本書では、どんな状況の人でも時間を生み出せる方法として、「自分にとって大事なことをする時間をもっと作るためのノウハウ」を紹介しています。

毎日こんなに忙しい理由2つ

まずは、時間がない理由、忙しい理由についての紹介です。

なぜ毎日がこんなに忙しく、バタバタしているのでしょうか?

一つは「多忙中毒」と僕らが呼ぶ風潮。忙しいのをよしとする考え方だ。

『時間術大全』5ページ

受信箱にあふれるメールや会議、そして、他のみんなも忙しくしているという周囲の状況や、忙しいことが良いと思っているなど、たくさんの忙しくしていないといけない理由があります。

あなたの時間を奪っている2つめの要因は、僕らが「無限の泉」と呼ぶものだ。これはスマホのアプリなど、コンテンツが絶えず補充されるものをいう。引っ張って更新するものやストリーミングに配信されるものは、全部これに入る。こうしたいつでも利用可能な、常時更新されるエンタテイメントは、たえまない忙しさに疲れ果てているあなたへの”ごほうび”になっている。

『時間術大全』5ページ

テレビやネットサーフィン、ゲームにアプリ、SNSと私たちの楽しみでもあり、時間を奪うこれらのコンテンツは、ご褒美とも言えますが、やりたいことができていない場合は、これらが、時間泥棒にもなってしまいます。

絶え間ない忙しさは本当に避けられないのでしょうか?無限の気晴らしは本当にごほうびなのでしょうか?

本当は避けられることがほとんどだと思いますが、日常で特に何も起こらなければ、改善しようとはなかなか思えないんじゃないでしょうか?

サトウさん、おっしゃる通りですね。
「多忙中毒」も「無限の泉」も意識できないくらいに習慣になっているものなので、変えようと考えることすらほぼないですよね。

「あなたの時間の9割はデフォルトで決まっている」と書かれているように、目の前の物事に反応して、迅速に対応したり、予定を埋めて、効率を高めてもっと仕事をこなさないとというのが、多忙中毒のルールになっています。

多忙中毒からやっと抜け出したと思ったら、「無限の泉」が手ぐすねを引いて待っている。たえまなく仕事をさせようとするが多忙中毒のデフォルトなら、たえまなく気を散らそうとするのが無限の泉のデフォルトだ。

『時間術大全』7ページ

無意識におこなっている忙しい習慣、デフォルトから、自分の時間を取り戻し新しいデフォルトを設定する方法をご紹介します。

新しい習慣と新しいマインドセットを持てば世界にいつも反応するのをやめ、自分にとって大事な人や大事な活動のための時間を積極的に作れるようになります。

大事なことのために時間を作る具体的方法を次にご紹介します。

時間を作る4つの方法

ではどうすれば、大事なことができる時間を作ることができるのでしょうか。

,毎朝最優先目標を決めると「魔法」が起きる
やるべき事が明確になりモチベーションが上がります。頑張れば達成できる目標を一つ決め、一日が終わる頃にはやり遂げている、そんな目標を決めます。

2,デバイス禁止で仕事の質が変わる
ラップトップやスマホなどのデバイスを禁止にして、集中力を高めて、成果を上げます。

3、集中には「エネルギー」が必要
ヘルシーな食事、短い散歩、頻繁な休憩、時間の短縮といった工夫がエネルギーレベルを保ち、その結果、仕事を効率よく行うのに役立ちます。

4つ目は最後にご紹介します。
実際にどんな行動をとるといいか具体的に1つずつご紹介します。本書には87のワザが掲載していますので、ご興味のある方は本書を手にとってみてください。

1,毎日「最重要事項」を選んで、時間を確保する

毎日その日の最優先事項(ハイライト)としてスケジュールを確保する活動を一つ決めます。

その活動は、大事な仕事でもいいし、家庭での活動でもいいし、やりたいことでもいいのです。ハイライトを選ぶことで前向きで積極的な気持ちになれます。

なるほど!でもこれは、自分で決めることができても、実際に時間を確保するのが難しいんじゃないですか?

そうですよね。そこで、おすすめしたいのが、自分との約束です。1日のうちで1番集中できる時間を自分のための時間として予約し、他の予定をブロックします。

1時間だけでも集中できる時間があればかなり仕事も、やりたいことも捗ります。その時間を捻出するために、時間を作る考え方や、時間の計測で自分の時間を客観的に見ることも有効です。

2,デバイス禁止で集中力アップ

集中して大事なことをしている時には、気を散らさないために、すぐに反応できないようにするのが一番です。

こちらのブログにもすぐに反応しない工夫をご紹介しています。

すぐに反応しないための、自分への対策

PCやスマホなどを職場に置いたまま帰宅して、翌日職場に行くまで外界から遮断される時間を作り、やりたいことに取り組みます。集中力が高まり睡眠も改善されることでしょう。

さすがにそれはできないという方は、帰宅したらスマホを手元に置かずに、カバンに入れたままにしたり、すぐには手の届かない場所に置いてしまうというのも一つの方法です。

すぐに反応しないための、他人への対策

他人の優先事項に反応して1日を無駄にしないように、メールを朝ではなく、1日の終わりに確認することと、返信は許される限り遅くすることを意識します。

いい考えですが、メールは朝にチェックしてもらえると思って送信していることもあるので、自分だけの問題ではないかもしれません。

そうですよね。「あの人は返信が遅い人」というあまり良くない印象を与えないためにも、やってみようと思った時にはいろんな人に事前にお知らせするのもいいかもしれません。

思いつきだけで実行するのでなく、他人が関わる時は準備するのは確かに大事ですね。

3,森と親しんでエネルギーを充電する

日本政府は1982年から森林浴の習慣を推奨しています。

日本語での「森林浴」は、1982年、林野庁長官が「温泉浴」「海水浴」「日光浴」などになぞらえて考案し、同年『朝日新聞』誌上にて「森林浴構想」という形で提唱したものです。参照:wikipedia 森林浴

森林浴って日本発祥の活動だったんですね!

市街地を歩いた人より公園を歩いた人の方が認知テストの成績が20%高かったというミシガン大学の2008年の研究もあります。

森林浴は脳のバッテリーを充電するようなイメージです。森林が近くない場合は、公園でしばらく過ごしたり、公園まで行けない時は窓を開けるだけでも気分が良くなりますのでお試しください。

場所を変えることで、仕事が捗る場合もあります。
休日の森林浴はもちろん、大事なことを行っている時も窓を開けたり、状況が許す方はたまには、公園など屋外で仕事を行うのもおすすめです。

ぼくの家の周囲には森林はないですが、久しぶりに公園に行ってみます。

自分に合う方法を見つける

このブログも本も、インターネットの記事もいろんな方法を紹介していますが、あなたに合った方法を見つけることが大事なことです。

4、実験すればするほど時間が生まれる

「実験を通してプロセスを改善」し 、いろいろな工夫の結果を自分の目で確認した結果、自分たちのやり方について、他人の実験結果をただ読むだけでは絶対に得られない、ゆるぎない確信を持つことができた。

『時間術大全』20ページ

これはいつもタスク管理パートナーさんも言ってくれていることですね。サトウさんに合う方法を見つけましょうって。

はい、その通りです。人それぞれ合う方法が違いますので、あなたに合う方法を見つけるために、いろんなことを試していただきます。

本やインターネットの情報は、基本的には書き手が良いと思うことを書いています。どの方法も誰かには有効ですが、あなたに有効かどうかは試してみなければわかりません。

そこで、一つずつ試してみて確認するという行動を行うことで、よりあなたに合う方法を見つけることができます。

お一人で考えたり、実行してもどうもうまくいかないなと思われたら、タスク管理パートナーがいつでもお手伝いします。
時間がないのに、サービスの通話やメッセージに時間を使うなんて!と思われた方は、本書がおすすめしている「毎朝最優先目標を決める」を思い出してください。
まずは1ヵ月、ベーシックサポートプランで最優先の目標を決めることでどんな変化が起こるかを試してみてください。