『マインドセット』「やればできる!」の研究 キャロル・S・ドゥエック著/草思社
マインドセット・・・考え方のクセのようなものですよね。
今まで、いろいろと「変わる」ことについて聞いてきましたが、また別の考え方ですか?
今回は、マインドセットを変えることにより、やりたいことにチャレンジできる方法をお伝えします。
今の状況に何かしらのもやもやがある場合、変える方がいい場合が多いですが、どの方法がいいかは人それぞれです。いろんな方法をこれからもご紹介しますので、あなたがいいなと思ったものをお試しください。
直接タスク管理に関係のないブログも書いていますが、私たちが何かを始めたり、やめたりするきっかけはどこにあるか分からないので、あなたのお仕事ややりたいことを進めるいろんな方法をこれからもご紹介していきます。
その中の何かが良いと思ってもらえたり、結果、タスク管理を行うことにつながるといいなと思っています。
目次
マインドセット=心の在り方
まずは、マインドセットの説明です。
自分の性格だと思っているものの多くが、じつはこの心の在り方(=mindset)の産物なのである。あなたがもし可能性を発揮できずにいるとしたら、その原因の多くは”マインドセット”にあると言ってよい。
『マインドセット』 3ページ
あなたの性格はそのまま変える必要はなく、マインドセットがあなたの可能性を発揮できるか、できないかを左右することになります。
人間の能力は学習や経験によって伸ばせるものでしょうか、それとも変化しないものでしょうか?
ぼくは、伸ばせる分野とそうでない分野があるように思います。
サトウさんが伸ばせると思った分野は、学習と経験によって伸ばせます。
ええ?それは、できると思ったらできるということですか?
ざっくりというと、そういうことが書いています。ただ、どうして能力は伸ばせると思うと伸びるのかは、続いて説明させてくださいね。
今、あなたがどちらのマインドセットを選択するをかによってあなたの未来は大きく変わってくるということ、その後の人生に大きな開きが出てくる考え方をご紹介します。
「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」、どちらを選ぶと成長できる?
マインドセットには2種類あります。硬直マインドセットとしなやかマインドセットです。
本書では、しなやかマインドセットを選択することで可能性が開けると書いています。
硬直マインドセットとしなやかマインドセットについてまず説明します。
硬直マインドセットの持ち主は、自分の能力が固定的で変わらないと信じている人のこと
自分の能力は固定的で変わらないと信じている人が、硬直マインドセットの持ち主です。
硬直マインドセットの持ち主はこんな特徴を持っています。
- 自分が他人からどう評価されるかを気にする
- つまずいたらそれでもう失敗だと信じている
- 努力は忌まわしいことであると思っている
- しくじってはならないという切迫感にいつもかられている
- 成功すると誇らしさが優越感にまで膨れ上がる
- 挫折が大きな心の傷として残るだけでなく、乗り越える手段を見つけられない
- 失敗するのは自分が能力や可能性に欠ける失敗者である証拠だと信じている
- 「どうせ」「~のせい」が口癖だ
- 本気で努力するのが怖い
- 自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない
多くの硬直マインドセットの人は、自分を特別な存在だと思っています。
特別な存在であるがゆえに、努力することを好みません。努力は特別でない人間が行うことであることと、言い訳のしようがなくなるという理由もあります。懸命に努力した結果が思い通りでなかった場合、何も言い訳はできなくなってしまうということを知っているからです。
また、硬直マインドセットの持ち主は、会社の中でパワハラを行う可能性も大きくなります。
硬直マインドセットの持ち主、自分は生まれつき人より優れていると思っているリーダーや上司が、自分より能力の劣る社員や部下をいじめるのは、それによって優越感を得られるからです。そして、有能な部下がいじめの対象になるのは、硬直マインドセットの持ち主にとって自分を脅かす存在だからです。
何だか、だいぶん付き合いにくそうな印象を受けますが、それでも誰にでもある要素のような気もします。
確かに、親しくなりにくそうな感じもしますが、それ以上に本人が生きにくそうに感じます。
常に成功していなければいけないというプレッシャーも大変そうですが、仰るように、程度の差こそあれ多くの人が持っているマインドセットだと思っています。
しなやかマインドセットの持ち主は、能力は努力次第で伸ばすことができるという信念を持っている人のこと
しなやかマインドセットは、人間の基本的資質は、努力次第で伸ばすことができるという信念を持っている人です。
思いどおりにいかなくても、いや、うまくいかないときにこそ、粘りづよい頑張りを見せるのが「しなやかマインドセット」の特徴だ。人生の試練を乗り越える力を与えてくれるのは、このマインドセットなのである。
『マインドセット』 14ページ
しなやかマインドセットの持ち主はこんな特徴を持っています。
- 自分を向上させることに関心を向ける
- 能力は伸ばせると考えるので、成長できなければ失敗
- 努力こそが人を賢く有能にしてくれる
こちらのマインドセットでは、だいぶん肩の力が抜けましたね。
しなやかマインドセットを持つと、失敗が怖くなくなり、いろんなことに挑戦できますね。
同じ出来事が起きても、マインドセットで結末が大きく異なる
ここからは、両者に同じ出来事が起きた場合の比較をしてみましょう。
大事な試験で良い点数が取れなかった。
そんな時の両者の反応はどう違うのでしょうか。当たり前ですが、嫌なことがあれば誰でも落ち込みます。それはマインドセットとは関係のないことです。
硬直マインドセットの人に尋ねると、このような答えが返ってくる。「拒絶されているような感じがする」「自分は完全なダメ人間」「負け犬」「価値のない最低の人間」「ろくでなし」。つまり、その日の出来事で自分の能力や価値が決まってしまったように感じるのだ。
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硬直マインドセットの人は、自分の能力、伸ばすことのできない固定的な能力が、値踏みされていると思ってしまい、どうしても受け止め方が歪んでしまったり、都合の悪いことは理由をつけて無視したりしてしまいます。
けれどもそんなときでも、マインドセットがしなやかな人は、自分をダメと決めつけてさじを投げたりしない。苦境に追い込まれても、失敗をおそれずに試練に立ち向かい、こつこつと努力を積み重ねていく。
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しなやかマインドセットの人は、能力は伸ばすことができると信じているので、現時点での能力についての情報をたとえ不本意であってもありのままに受け入れることができます。さらに学ぶことに重点を置くので、効果的な学習をするためには、現時点の能力についての正確な情報が必要になることも知っていて、結果を受け止めることができます。
だいぶん印象が違いますね。
硬直マインドセットの人が受け取った情報をどのように解釈するかを調べてみたところ、どんな情報に対しても極端な評価を下していることが分かりました。
良いことが起こると過度にポジティブなレッテルを貼ってしまうし、逆に悪いことが起こると過度にネガティブなレッテルを張ってしまうのです。
しなやかマインドセットの持ち主の関心は、自分や他人の評価ではなく、学習や建設的行動に向けられています。この体験から何を学び取ることができるか、どうすれば自分を向上させることができるかということです。
確かに、心の在り方で長期的に見た結果が変わってきますね。
自分の脳は自分で作っていくことができる
生涯学習し続ける能力や、脳の発達の余地は従来考えられていたよりも大きく、脳は、筋肉と同じく使えば使うほど性能がアップすることが分かってきています。新しいことを学ぶと脳が成長して、頭が良くなっていくことが科学的に証明されています。
希望が持てる証明ですね!脳の成長のためにもどんどん新しいことを学びたくなります!
脳を正しく使ったり、適切に世話をすることで、脳の成長を助けてやることができますね。
著名な社会学者ベンジャミン・バーバーがこう述べている。「私は人間を弱者と強者、成功者と失敗者とには分けない。・・・学ぶ人と学ばない人とに分ける」
『マインドセット』 24ページ
伝説的なバスケットボールコーチ、ジョン・ウドゥンは、失敗を何かのせいにしないかぎり、その人は失敗者ではないと語る。つまり、自分が間違いを犯したことを認めることができれば、そこから教訓を得てまだまだ成長していけるということなのだ。
『マインドセット』 51ページ
硬直マインドセットは、人間を学習から遠ざけてしまうので、せっかくの脳の成長の芽を自ら摘んでしまうことになります。
それは、もったいないです!
マインドセットは生まれつきのものではなく、選択できるもの
しなやかマインドセットがいいとはよく分かりましたけど、変えるのはなかなか難しいのではないでしょうか?
マインドセットは、自分の意志で選び取ることができるものです。
もし、硬直マインドセットからしなやかマインドセットに変わりたいと思ったら変わることができます。
もちろん、簡単なことではありませんが、可能なことです。
「やればできたのに」と後悔する人生が良いか、それとも自分が価値を置くことに全力を注ぎ込んできたと胸を張って言えるのが良いでしょうか?
人間は、年齢や状況に関係なく、いつでも変わることができます。
しなやかマインドセットの根底にあるのは人は変われるという信念ですが、では、その変わるためにはどうすれば良いのでしょうか?
しなやかマインドセットを選択するための方法を2つご紹介します。
しなやかマインドセットを選択するための方法
マインドセットをしなやかにするには、その体験から何を学んだか、あるいは学べるか、どうすればそれを成長に結びつけることができるか、このように考える習慣を身につけることです。
結果だけじゃなく、過程や、学んだり体験した後も重要なんですね。
仕事や生活、遊びの中にも学びの機会はいろいろありそうです。
もう一つは、いつもやりたいと思っていながらうまくできる自信がなくてやらずにいたことを実行に移してみることです。
やりたいことリストを作るのもいいかもしれません。
ぼくは、タスクで管理しています!
変わることを恐れない
硬直マインドセットからしなやかマインドセットに変えるということは、長年自分だと思っていたものを変えることです。簡単なことではありません。さらに、それまでずっと恐れてきたチャレンジや挫折、批判を受け入れざるを得なくなることです。
硬直マインドセットの誘惑は強く、今のままそこにじっとしていれば一生自分の価値と成功と称賛が保証されるような錯覚に陥ってしまいます。
人間の基本的性質は伸ばせるものだと信じていても、失敗すれば辛いものです。でも失敗したからといって、それで自分の価値が決まってしまうことはありません。
能力を伸ばすことで自分を変化させ、成長させることで得られる道は、たくさんあります。
意志力が弱いからダメ、人間性に問題があるからダメと決めつけてしまうのは硬直マインドセットの仕業なのです。
決めつけるのは、自分の成長を後退させることになるんですね。ぼくには無理と思っていたことについて改めて考えてみたいと思います!
サトウさん、しなやかさが増しましたね。
書いてあると簡単そうに見えても、実際に行うのは難しいものです。ベーシックサポートプランでじっくりとご一緒に取り組んでいきましょう。